印子金(読み)インスキン

デジタル大辞泉 「印子金」の意味・読み・例文・類語

いんす‐きん【印子金】

近世初期、中国から輸入した良質の金塊。1個約100もんめ(375グラム)で、側面からの形状によって舟印子・花印子などとよんだ。

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精選版 日本国語大辞典 「印子金」の意味・読み・例文・類語

いんす‐きん【印子金】

  1. 〘 名詞 〙 中国から渡来した金。中国古代の原始的貨幣の一種で、中世末期から江戸中期頃まで、中国からの貿易決済として日本に移入された。地金(じがね)ようのものだが、目方は一個一〇〇匁(三七五グラム)または五〇匁で純金に近い精良なもの。転じて、良質の金をいう。いんし。いんす。→「いんつう(銀子)」の語誌
    1. [初出の実例]「印子(インス)金。精金なり」(出典大和本草(1709)三)
    2. [その他の文献]〔夢渓筆談‐異事〕

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改訂新版 世界大百科事典 「印子金」の意味・わかりやすい解説

印子金 (いんすきん)

江戸時代に,中国から輸入した金塊をいう。その多くは,18世紀半ば以降輸入されたもので,1763年(宝暦13)から天明(1781-89)末年の間に,足赤金62貫匁余,九呈金24貫匁余,八呈金40貫匁余にのぼった。これとともに銀も輸入され,これらの金銀は貨幣改鋳の素材とされたが,この金銀輸入政策は,田沼意次の積極政策として高く評価されている。
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