即非(読み)そくひ(英語表記)Chi-fei

精選版 日本国語大辞典 「即非」の意味・読み・例文・類語

そくひ【即非】

  1. そくひにょいち(即非如一)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「即非」の意味・わかりやすい解説

即非
そくひ
Chi-fei

[生]万暦44 (1616).5.14. 福建
[没]寛文11 (1671).5.20. 長崎
江戸時代前期に来朝した中国,明の黄檗僧,書家俗姓は林,法名は如一。師の隠元隆琦の招きに応じて明暦3(1657)年に来朝。長崎の崇福寺宇治萬福寺豊前福聚寺などを拠点に黄檗宗の教化に努めた。かたわら書をもって世に聞こえ,隠元,木庵性瑫とともに「黄檗の三筆」と称され,江戸時代の唐様書道界に貢献した。絵も巧みで,崇福寺蔵『牧牛図』,萬福寺塔頭萬寿院蔵『羅漢図』などの作品があり,また著述に『語録』25巻,『仏祖道影賛』1冊がある。

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世界大百科事典(旧版)内の即非の言及

【黄檗宗】より

…1722年(享保7)の〈黄檗宗法度〉には〈黄檗派〉あるいは〈黄檗衆〉の名称が見え,〈近年宗門広まり候〉と,この期には教団が大きく拡大されていることが知られるが,45年(延享2)の末寺数は,51ヵ国に897ヵ寺を数えていて地方教線拡張のあともみとめられる。この宗勢の拡大は,とくに檗門の二甘露門と称される,万福寺2世で江戸に瑞聖寺を開創した木庵性瑫,豊前に福聚寺を開いた即非如一や,隠元の法孫で万福寺5世の高泉性潡(こうせんしようとん)の中興などによるところが大きいが,その他数多くの黄檗僧が世に出て活躍し,諸藩大名の支持を得た結果でもある。その黄檗宗の禅僧は法系的に大きく紫雲派,広寿派,竜興派,獅子林派,東林派,華蔵派,漢松派,万松派,直指派,海福派,仏国派の11派に分けられ,そのうち木庵の紫雲派は万寿下,長松下など12派に分派しているのをはじめ,獅子林派は7派,仏国派は3派,漢松派,広寿派はおのおの2派に分派していて,黄檗宗は32派によって構成されている。…

【黄檗美術】より

… 絵画の分野では,黄檗画像がまずあげられる。これは,隠元,木庵,即非など,渡来した黄檗高僧の頂相(ちんそう)で,17世紀後半から18世紀にかけおもに長崎で描かれた。伝統的な頂相の手法とは異なり,赤や黄の原色の法衣をまとった真正面向きの像で,その顔には西洋風の陰影を施しきわめて写実的である。…

【三筆】より

…3人を特に三筆と称するようになったのがいつごろか明らかでないが,そう古くにはさかのぼらない。ほかには江戸時代に日本へ渡った黄檗(おうばく)宗の3僧,隠元,木庵(もくあん)(1611‐84),即非(そくひ)(1616‐71。諱は如一(によいち),木庵の法弟)を〈黄檗の三筆〉,また近衛信尹(のぶただ)(号は三藐院(さんみやくいん)),本阿弥光悦松花堂昭乗を〈寛永の三筆〉と呼ぶが,この呼名もおそらく明治以降であろうといわれ,1730年代(享保年間)には寛永三筆を〈京都三筆〉と呼んでいる。…

※「即非」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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