朝日日本歴史人物事典 「原在中」の解説
原在中
生年:寛延3(1750)
江戸後期の画家。京都の人。名は致遠,字は子重,別号は臥遊。生家は酒造家であったが,家業を嫌い,石田幽汀の門に入る。円山応挙にもついたらしい。応挙没後,在中は自分は応挙の弟子などではないといっているので,岸駒が円山応瑞のところに行って門人帳を調べると,入門者の項に在中の自筆で書いてあったという。その後,寺々を訪ねて元,明の古画を独学し,また土佐派を学ぶなどして原派と呼ばれる一派を形成した。土佐派,円山四条派,岸派などを融合した精密な装飾的画風に特色がある。また,有職故実を研究して有職人物画を得意とした。寛政の御所造営に参加,常御殿の杉戸絵などを描いた。88歳で没するまで絵筆を握ったといわれ,京都の天性寺に葬られた。代表作に相国寺方丈の「補陀落図」「琴棋書画図」の襖絵などがある。<参考文献>京都府立総合資料館『京都画派の名家 原在中とその流派/図録』,山川武『日本屏風絵集成』8巻
(河野元昭)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報