双声(読み)ソウセイ(その他表記)shuāng shēng

デジタル大辞泉 「双声」の意味・読み・例文・類語

そう‐せい〔サウ‐〕【双声】

二字熟語の各字の頭子音が同じであること。また、そういう熟語。「磊落らいらく」「髣髴ほうふつ」の類。→畳韻じょういん

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精選版 日本国語大辞典 「双声」の意味・読み・例文・類語

そう‐せいサウ‥【双声】

  1. 〘 名詞 〙 漢字二字からなる熟語で、同じ頭子音の文字二つ組み合わせて作ったもの。「佳句(かく)」「湖海(こかい)」「蒼生(そうせい)」の類。〔文心彫龍‐声律

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改訂新版 世界大百科事典 「双声」の意味・わかりやすい解説

双声 (そうせい)
shuāng shēng

中国語において,通常,二音節語では,各音節の前半部分たる声母,すなわち頭子音が同一であるか,あるいは近似していることをいう。〈流離*lǒg*la〉〈匍匐*b`wâg*b`wk〉など,すでに《詩経》の中に多くみられる。擬声語擬態語のみならず,動植物の名も多い。また〈古今〉〈文武〉〈男女〉などの一般的な語にもみられ,各時代を通じて,双声による造語がおこなわれた。中国人が古くから音節の分析,頭子音の観察をおこなったあかしとされるが,畳韻の場合ほど容易ではなかったようである。
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普及版 字通 「双声」の読み・字形・画数・意味

【双声】そう(さう)せい

上下二字の発声子音が同じであるもの。〔余叢考、二十三、双声畳韻〕雙聲疊は六る。~皮日休の雜體詩の序に曰く、詩に云ふ、(ていとう)東に在り、鴛鴦(ゑんあう)梁(はり)に在りと。雙聲の始めなりと。

字通「双」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の双声の言及

【中国文学】より

…形式は四言(漢字4字すなわち4音節)の句を基本とし,脚韻のふみかたに一定の法則はない。語頭子音を同じくする2音節をつらねた〈双声〉の語と,母音(および語尾の子音)を同じくする2音節をつらねた〈畳韻(じよういん)〉の語とをしばしば用いて,音声をととのえる。くりかえしが多いのは民謡の特色であるが,全体に和声的な音楽を聞くような印象を与える。…

※「双声」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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