代数方程式の解や微分方程式の解などを求めるために、一つの近似解からそれより精密な近似解を求める操作を一つ定め、この操作を次々と繰り返してより精密な近似解を求める方法を反復法または逐次近似法という。
x0を方程式f(x)=0の近似解とする。このとき、この方程式をf(x0)+(x-x0)f′(x0)=0で近似し、この解x1=x0-f(x0)/f′(x0)を元の方程式の解の第一次近似とする。以下、順次
xn=xn-1-f(xn-1)/f′(xn-1)
によって解の近似値xnを求めていく方法をニュートン‐ラフソンの方法という。平方根や立方根の近似値の計算に使われる。
常微分方程式y′=f(x,y)の初期条件y(0)=x0を満たす解を求める問題は積分方程式
の解を求める問題と同等である。近似解y=y0(x)から出発して第n次近似解y=yn(x)を
で定めると、f(x,y)に対する適当な条件の下で極限
が存在して、このy(x)は積分方程式の解になる。これはピカールの逐次近似法とよばれ、常微分方程式の解の存在定理の一つの証明法を与える。この例のように、反復法は種々の方程式の解の存在を示すための有力な手段としても使われている。
[小林良和]
…用意されていないものについては,自分でアルゴリズムを工夫する。
【数値計算の手法】
数値計算の手法は,直接法,反復法,モンテカルロ法の3種に大別できる。
[直接法]
解を得る手順が決まっていて,計画された手順にしたがって進めれば解が得られるものである。…
※「反復法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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