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取得時効 しゅとくじこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

取得時効
しゅとくじこう

財産関係について一定期間ある事実状態が継続している場合,それが真実の権利状態ではなくとも,その事実に即した権利の取得を認める制度。時効の一種であり,消滅時効に対する概念。この時効による権利の取得は,前主の権利を承継するのではなく,権利を原始的に取得する。所有の意思をもって他人の物を平穏かつ公然に占有し続けた場合,占有の当初他人の物であることにつき善意無過失のときは 10年で,悪意,有過失のときは 20年で時効によりその物の所有権を取得する (民法 162) 。自己のためにする意思をもって地上権,鉱業権,知的財産権などの財産権を平穏かつ公然に行使し続けた場合,善意,無過失のときは 10年,悪意,有過失のときは 20年で時効が完成しその財産権を取得する (163条) 。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

取得時効

民法に規定がある。財務省によると、国有地と知りながら不法占有した場合で20年、知らずに過失もない場合で10年経過すると、その所有権を認める「時効取得制度」があり、この制度で03〜05年度に民間に無償譲渡された国有地は計約120億円分に上るという。

(2007-04-13 朝日新聞 朝刊 山口 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

しゅとく‐じこう〔‐ジカウ〕【取得時効】

時効の一。一定期間継続して他人の物を占有する者に所有権を与え、または他人の所有権以外の財産権を事実上行使する者にその権利を与える制度。民法第162条に規定された権利。→消滅時効

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百科事典マイペディアの解説

取得時効【しゅとくじこう】

他人の物を一定期間継続して占有する者にその所有権を与え,また所有権以外の財産権を一定期間継続して事実上行使する者にその権利を与える制度。消滅時効とともに時効の一つ。
→関連項目地役権

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大辞林 第三版の解説

しゅとくじこう【取得時効】

〘法〙 所有の意思をもって他人の物を占有した状態が、一定期間継続することによって、権利取得の効果が生じる時効。 → 消滅時効

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

取得時効
しゅとくじこう

他人の物を一定期間継続して占有する者をそのまま所有者として認め、また所有権以外の財産権を一定期間継続して事実上行使する者をそのまま権利者として認める制度。[編集部]

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世界大百科事典内の取得時効の言及

【時効】より


【私法上の時効】
 一定期間の経過によって権利の取得または債務の消滅という効果を認める制度をいう。一般の説明によると,時効のうちの〈取得時効〉によって他人の物の所有権または財産権を取得し,〈消滅時効〉によって本来支払うべき債務を免れると解されている。しかし,この説明は,正義の確立を目標とする法の目的と矛盾する。…

※「取得時効」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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