古法華石仏(読み)ふるぼつけせきぶつ

日本歴史地名大系 「古法華石仏」の解説

古法華石仏
ふるぼつけせきぶつ

[現在地名]加西市西長町 古法華

加西盆地の南西部にある法華山一乗いちじよう寺の北約三キロの善防ぜんぼう山・笠松かさまつ山の谷間、標高一三〇―一四〇メートルの山中祠堂が建てられており、奈良時代前期に属する三尊仏と厨子屋蓋がある。石造浮彫如来及両脇侍像(付石造厨子屋蓋)として国の重要文化財に指定されている。昭和三〇年(一九五五)に田岡香逸・高井悌三郎らによって確認された。現在の祠堂は明治の初め頃に建てられ、火災後の再建であるらしい。それ以前の建物の状況や石仏造立当初の様子は明らかでない。しかし付近の地形からみてここに伽藍があったとすれば、密集した配置ではなく、山裾を開き、岩を削って分散して建てられたものであろう。当石仏もその伽藍の一堂に安置されたとも想像される。また近くの一乗寺との関連についても十分な考慮が必要であるが、現状では確証は得られない。この祠堂境内では須恵器片が採集され、西方約五〇〇メートルの山中では古瓦片の散布があるなど、今後の解決を待つべき状況である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む