日本歴史地名大系 「古法華石仏」の解説 古法華石仏ふるぼつけせきぶつ 兵庫県:加西市西長村古法華石仏[現在地名]加西市西長町 古法華加西盆地の南西部にある法華山一乗(いちじよう)寺の北約三キロの善防(ぜんぼう)山・笠松(かさまつ)山の谷間、標高一三〇―一四〇メートルの山中に祠堂が建てられており、奈良時代前期に属する三尊仏と厨子屋蓋がある。石造浮彫如来及両脇侍像(付石造厨子屋蓋)として国の重要文化財に指定されている。昭和三〇年(一九五五)に田岡香逸・高井悌三郎らによって確認された。現在の祠堂は明治の初め頃に建てられ、火災後の再建であるらしい。それ以前の建物の状況や石仏造立当初の様子は明らかでない。しかし付近の地形からみてここに伽藍があったとすれば、密集した配置ではなく、山裾を開き、岩を削って分散して建てられたものであろう。当石仏もその伽藍の一堂に安置されたとも想像される。また近くの一乗寺との関連についても十分な考慮が必要であるが、現状では確証は得られない。この祠堂境内では須恵器片が採集され、西方約五〇〇メートルの山中では古瓦片の散布があるなど、今後の解決を待つべき状況である。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by