古部村（読み）こべむら

日本歴史地名大系

古部村
こべむら

• 長崎県：南高来郡
• 瑞穂町
• 古部村

[現在地名]瑞穂町古部

伊福（いふく）村の西に位置し、北部は海に臨む。船津（ふなつ）川・権現（ごんげん）川が流れる。北東部の伏尾（ふしお）に柿（かき）ノ本（もと）古墳があり、岡（おか）の陣（じん）ノ内（うち）遺跡では中世の陶磁器や鉄滓が出土し、製鉄遺構も検出されている。中世は山田（やまだ）庄のうちで、観応二年（一三五一）六月二九日の詫磨宗直宛行状（詫磨文書）に「肥前国□□庄内小部村」とみえ、宗直は当村三分一地頭職を詫磨西亀一に料所として宛行っているが、この庄は山田庄と推定される。古部八郎の居城という夏嶺（なつみね）城の跡、その弟の鍵嶺民部大夫の居城という鍵嶺（かぎみね）城（鉤峰城）の跡、神代貴茂の弟の岡刑部大輔貴明の居城という岡城跡、伏尾民部の伏尾城跡などがある。岡城跡は石垣・空堀を伴う平場などを遺構とし、付近に城（しろ）ノ尾（お）・陣ノ内という地名がある。

古部村
こぶむら

• 愛知県：岡崎市
• 古部村

[現在地名]岡崎市古部町

村域に水源をもつ男（おと）川支流の古部川沿いに集落と耕地がある。東は南須山（みなみすやま）村（現額田郡額田町）、西は蓬生（よもぎゆう）村、南東は切越（きりこし）村、北は高薄（たかすき）村・大河（おおがわ）村（現額田町）と各々山で接する。

中世、中山（なかやま）庄に属すという。字竹（たけ）ノ花（はな）にある須佐之男神社の応永一七年（一四一〇）の棟札に「奉造替三州額田郡古部郷三社霊壇　檀那女浄栄　並源朝臣常国」とあり、「古部」の名がみえる。永正一二年（一五一五）の同社棟札には当時の上級領主松平長則の名がみえる。「形原松平記」（永光家文書）には、将軍足利義尚に奉公した松平与副が当村を含む中山一〇里七〇〇貫を領したことがみえる。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」