瑞穂町(読み)みずほちよう

日本歴史地名大系 「瑞穂町」の解説

瑞穂町
みずほちよう

面積:二〇七・八三平方キロ

邑智郡の南部に位置し、東は羽須美はすみ村、西は石見町および那賀郡あさひ町、南は広島県山県やまがた大朝おおあさ町と美土里みどり町、北は川本かわもと町と大和だいわ村に接する。西から南の境界には丸瀬まるせ(九八六・五メートル)阿佐あさ(一二一八・二メートル)たたみ(一〇二九メートル)猪子いのこ(八三〇・二メートル)唐代からしろ(八一四メートル)上平あげひら(八八八メートル)など中国山地の高山、北から東境にはかん(八五九・三メートル)高堀こうぼり(七一八・七メートル)唐渓からたに(六五八・一メートル)大手おおて(五三九メートル)大原おおばら(六六五・二メートル)などの山々が連なり、町域の九割が山林原野。中央を出羽いずわ川が多くの谷からの支流を集めて流れ、各々の流域に出羽盆地をはじめとした平地が開けている。国道二六一号が南北に貫通し、広島県と石見町を結ぶ。さらに県道川本―赤来あかぎ線、田所たどころ国府こくぶ線や主要地方道の吉田よしだ―瑞穂線、浜田―作木さくぎ線などによって周辺の町村と結ばれている。当地は二千万年前には海であったのが隆起したもので、高見たかみ一帯には第三紀層の露出地があり、貝類の化石、サメの歯、植物化石などが出土している。当町には集落跡七・古墳群八・古墳一四・横穴墓二・遺物散布地五七・墳墓群二・須恵器窯跡一八など遺跡が多い。このうち高見段の原たかみだんのはら横路よこみち遺跡からは旧石器と押型文土器・土師器・須恵器などが出土している。


瑞穂町
みずほまち

面積:一六・八三平方キロ

都の中央西寄り北部に位置し、東は武蔵村山市・埼玉県所沢市、西は青梅おうめ市・羽村はむら市、南は福生ふつさ市、北は埼玉県入間市に接している。町の東部には狭山さやま丘陵が広がり、南部から福生市・武蔵村山市・立川市にまたがる在日米軍横田よこた基地は町域の約一三パーセントを占める。南北に国道一六号(東京環状)が走り、これと交わる青梅街道(主要地方道新宿―青梅線)および新青梅街道(同上)が横断する。なお近世の青梅街道は、箱根ヶ崎より東方では現在の青梅街道よりかなり南(新青梅街道のさらに南)を通っており、一方、現在の青梅街道の道筋は古くは江戸道・江戸街道、あるいは青梅道などとよばれていた。また南北にJR八高線が通り、箱根ヶ崎はこねがさき駅がある。町内の狭山池を源として多摩川に注ぐ残堀ざんぼり(蛇堀川)が南東に流れ、狭山丘陵北側の高根たかね地区から北東へ流れる不老としとらず川は、埼玉県内で新河岸しんがし川に注いでいる。狭山丘陵の西端麓を中心に殿ヶ谷とのがや遺跡・狭山遺跡六道山ろくどうやま遺跡・松原まつばら遺跡・浅間谷せんげんやつ遺跡など二二の遺跡が確認されている。殿ヶ谷遺跡は農作業中に大型の木の葉形尖頭器の完成品が掘出されたという偶然が発掘の発端となった。狭山遺跡は町域の一番低地にあり、丘陵や狭山神社を包含して範囲も広い遺跡である。狭山神社の南側から縄文中期の加曾利E式土器や竪穴住居跡が、狭山池の東側からは旧石器時代の石槍や細石器が、浅間谷遺跡では旧石器時代・縄文時代の石器が出土している。なお六道山遺跡・浅間谷遺跡から出土した磨製・打製石斧には伊豆七島や北海道産の黒曜石が使用されていることが判明している。

狭山丘陵は古代の多摩・入間二郡の境界的な存在となっていたと推定され、丘陵南側の殿ヶ谷に延喜式内社多摩郡八座の一、阿豆佐味あずさみ天神社が鎮座する。


瑞穂町
みずほちよう

面積:二六・二五平方キロ

島原半島の北部西寄りに位置し、南西部は吾妻あづま町、東部は国見くにみ町、南は千々石ちぢわ町に接する。町域の南部にある吾妻岳(八六九・八メートル)おお(五〇七・一メートル)など雲仙うんぜん山系を水源として船津ふなつ川・権現ごんげん川・松江まつえ川・西郷さいごう川などが緩やかな扇状地を北流して有明海に注ぐ。北部の海岸線に沿って島原鉄道が通り、これと並行して国道二五一号が通る。ほかに県道の愛野あいの―島原線・野田道のだみち西郷港さいごうみなと線などがある。南部は雲仙天草うんぜんあまくさ国立公園の指定域内。

町域では縄文時代から弥生時代の遺跡として伊福の京いふくのきようつぼ遺跡、西部の古部の陣こべのじんうち遺跡などがあり、古部の円墳かきもと古墳は七世紀半ば頃の築造とされる。律令制下では高来たかく郡に属したが、町域に「和名抄」に記されるいずれの郷が置かれていたか明らかではない。


瑞穂町
みずほちよう

面積:一一〇・〇二平方キロ

船井郡の北西部に位置し、東西約一〇キロ、南北一一キロ。東は丹波たんば町、南は兵庫県多紀たき篠山ささやま町、西は天田郡三和みわ町、北は和知わち町に接する。瑞穂町は全体として日本海斜面にあるが、地形的には二分される。町域の四分の一にあたる南西部分は西流する土師はぜ川の上流域で、中・下流方面の三和町や福知山市と関係が深い。東部から北部にかけては東南に流れる高屋たかや川流域である。大部分の地域が標高五〇〇メートル前後の山地であるが、南東部には小さな檜山ひのきやま盆地がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「瑞穂町」の意味・わかりやすい解説

瑞穂〔町〕
みずほ

東京都西部,狭山丘陵西側にある町。北は埼玉県に接する。 1940年町制。 58年埼玉県元狭山村の一部を編入。鎌倉時代に活躍した武蔵七党の1つ村山党の発祥地と伝えられる。中心地区は箱根ヶ崎で,青梅街道,新青梅街道,国道 16号線,JR八高線が交差し,古来より交通の要地。多摩川の形成する青梅扇状地の扇央に立地する長岡は,計画的に開拓された新田集落。花卉栽培,酪農が行われ,狭山茶を特産する。南の福生市にかけてアメリカ軍の横田基地がある。東部は狭山都立自然公園に属する。面積 16.85km2。人口 3万1765(2020)。

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