吾妻コート(読み)アズマコート

デジタル大辞泉 「吾妻コート」の意味・読み・例文・類語

あずま‐コート〔あづま‐〕【×吾妻コート】

被布襟ひふえりで、長さが裾まである、女性の和服用コート明治の中ごろ、東京から流行した。

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精選版 日本国語大辞典 「吾妻コート」の意味・読み・例文・類語

あずま‐コートあづま‥【吾妻コート】

  1. 〘 名詞 〙 ( コートは[英語] coat ) 和服用の婦人外套(がいとう)一種。ラシャ、セル等でつくる。明治二七、八年一八九四‐九五)頃から広く用いられた。
    1. 吾妻コート〈風俗画報〉
      吾妻コート〈風俗画報〉
    2. [初出の実例]「吾妻コート 地質は黒紺濃鼠一本綾、黒紺鼠茶鉄無地綾及綾絹」(出典:風俗画報‐一二七号(1896)流行門)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吾妻コート」の意味・わかりやすい解説

吾妻コート
あづまコート

東コートとも書く。女性用和装防寒服の一種で,1886年東京の白木屋呉服店が考案発売したもの。それまでの女性の防寒服は合羽 (かっぱ) から分離して発達した被布 (ひふ) であった。被布は高級織物の袷仕立てか,綿入れ仕立てであったが,白木屋では保温や防雨,防寒を考えてラシャ地を使用,襟にもへちま襟や角型の道行き襟にするなど従来にない新工夫を凝らし,名称も吾妻コートとした。斬新さが受けて流行し,大正期まで続いたが,現在の雨コート台頭によって次第にすたれた。

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