吾妻藤蔵(読み)あづま とうぞう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「吾妻藤蔵」の解説

吾妻藤蔵(3代) あづま-とうぞう

1756-1798 江戸時代中期-後期歌舞伎役者
宝暦6年生まれ。2代吾妻藤蔵,のち9代市村羽左衛門(うざえもん)に入門若女方となり,安永8年3代目を襲名。寛政元年以降京都,大坂で活躍。口跡にすぐれ,地芸(じげい)と所作事(しょさごと)をかねた。振付師でもあった。寛政10年6月19日死去。43歳。江戸出身。初名は吾妻富五郎。振付師名は吾妻大吉,4代生島大吉。俳名は園花,園枝。屋号吾妻屋

吾妻藤蔵(5代) あづま-とうぞう

1821-1862 江戸時代後期の歌舞伎役者。
文政4年生まれ。12代市村羽左衛門(うざえもん)に入門,天保(てんぽう)14年5代目を襲名。嘉永(かえい)4年初代吾妻市之丞(いちのじょう)と改名。若女方を得意とし,時代物と世話物に適した。文久2年10月15日死去。42歳。前名は吾妻橘之助。俳名は園枝,市丸。屋号は吾妻屋,橘屋

吾妻藤蔵(2代) あづま-とうぞう

1724-1776 江戸時代中期の歌舞伎役者,舞踊家
享保(きょうほう)9年生まれ。舞踊吾妻流の祖。享保15年伯父の初代吾妻藤蔵の跡をつぐ。8代市村羽左衛門の門人。地芸と所作(しょさ)をかね,世話と武道事を得意とした。安永5年4月11日死去。53歳。江戸出身。初名は坂東橘作。前名は生島大吉(2代),総角(あげまき)林弥。

吾妻藤蔵(初代) あづま-とうぞう

1665-1716 江戸時代前期-中期の歌舞伎役者。
寛文5年生まれ。江戸湯島天神の宮芝居の出身。8代市村羽左衛門の門人。半道敵(はんどうがたき)と所作事(しょさごと)を得意とした。享保(きょうほう)元年9月5日死去。52歳。江戸出身。初名は藤次郎。別名に東藤蔵。俳名は園枝。屋号は吾妻屋。

吾妻藤蔵(4代) あづま-とうぞう

?-1843 江戸時代後期の歌舞伎役者。
4代中村七三郎に入門,文化7年江戸市村座で4代目を襲名。天保(てんぽう)元年2代中村芝翫(しかん)に入門し,中村芝鶴(しかく)と改名。はじめ若女方を,のち女房役,年増役を得意とした。天保14年死去。前名は中村七次。屋号は吾妻屋,高砂屋,鶴屋。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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