中国、宋(そう)代の詩人。字(あざな)は居仁(きょじん)、号は紫微(しび)。寿州(安徽(あんき)省寿県)の人。曽祖父(そうそふ)呂公著(りょこうちょ)が宰相を務めたおかげで、承務郎を授かり、官は中書舎人(しゃじん)に至った。その詩は黄庭堅(こうていけん)と陳師道(ちんしどう)の詩風を継承するもので、彼がつくった「江西詩社宗派図」によって、いわゆる江西派が一時期流行し、宋詩に一画期をなした。1166年(乾道2)の曽幾(そうき)の序を付す『東莱(とうらい)先生詩集』20巻があり、趣味の詩が多いが、金の侵略下の「兵乱後雑詩」29首など時事を詠じた秀作もある。『童蒙訓(どうもうくん)』『紫微詩話』の著による詩学啓蒙の功績も大きい。
[横山伊勢雄]
『今関天彭・辛島驍著『漢詩大系16 宋詩選』(1966・集英社)』▽『前野直彬編『宋詩鑑賞辞典』(1977・東京堂出版)』
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