唆す(読み)ソソノカス

デジタル大辞泉 「唆す」の意味・読み・例文・類語

そそのか・す【唆す/×嗾す】

[動サ五(四)]
その気になるように仕向ける。特に、おだてて悪いほうへ誘い入れる。「悪事を―・す」
早くそうするように勧める。せきたてる。
「とく参り給はむことを―・し聞こゆれど」〈桐壺
[類語]仕向けるおだてる駆り立てるけしかける教唆指嗾

そそなか・す【唆す】

[動サ四]そそのかす1」に同じ。
家中の物を小盗みしたり、人の娘を―・したり」〈伎・幼稚子敵討

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「唆す」の意味・読み・例文・類語

そそのか・す【唆】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. その気になるようにしむける。そうするように勧める。
    1. [初出の実例]「『たびたびおほせごとうけ給はらぬ、いとかしこう』と、せちにそそのかし給へど」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  3. 相手に強く催促する。せきたてる。
    1. [初出の実例]「人々、はやはやとそそのかしてわたりたれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
  4. おだてて悪い方へさそう。教唆する。誘惑する。
    1. [初出の実例]「ばくゑきをしたるも、そんじゃう其人がそそのかしてさせたり」(出典:仮名草子・身の鏡(1659)中)

そそなわか・すそそなはかす【唆】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙そそのかす(唆)
    1. [初出の実例]「田が、そそなわかいて、謀叛を、おこさしむるぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)九)

そそなか・す【唆】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙そそのかす(唆)
    1. [初出の実例]「殿の夜着よりしたに入て其人をそそなかして」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)一)

そそのわか・すそそのはかす【唆】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙そそのかす(唆)
    1. [初出の実例]「張儀をそそのわかいて、あいさるやうにせうとてぞ」(出典:史記抄(1477)一一)

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