煽てる(読み)オダテル

デジタル大辞泉 「煽てる」の意味・読み・例文・類語

おだ・てる【×煽てる】

[動タ下一][文]おだ・つ[タ下二]
うれしがることを言って、相手を得意にさせる。何かをさせようと、ことさらに褒める。もちあげる。「―・ててやる気にさせる」
人が落ち着いていられないほどに騒ぎたてる。
「やれ出せそれ漕げと、滅多無性に―・てられ」〈浄・近江源氏
[類語]唆す仕向ける教唆指嗾褒める駆り立てるけしかけるたたえるでるよみする褒めたたえる賞する称する賛する持てはや持ち上げる称賛する称美する称揚する推賞する嘉賞かしょうする絶賛する激賞する礼賛する賛美する喝采するちやほやする甘やかす褒め立てる褒め上げる褒めそやす褒めちぎる・おだて上げる・べた褒めしょうする論賛する称嘆する褒賞する褒誉する嘆称する賛嘆する三嘆する詠嘆する感嘆する感服する拍手喝采する

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精選版 日本国語大辞典 「煽てる」の意味・読み・例文・類語

おだ・てる【煽】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]おだ・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. 人や動物気持を乱すように騒ぎ立てる。気持をあおるように騒ぐ。
    1. [初出の実例]「ヤどや揉むの畳むのとおだてをるが怖さに」(出典:浄瑠璃・万戸将軍唐日記(1747)三)
    2. 「千助様、其様におだてずと、静かに歩いて下さんせいなあ」(出典:歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)一)
  3. まわりではやしたててからかう。
    1. [初出の実例]「あなたと連れ立って歩いたら、何のかのと人が煽(オダ)てうかと思うて」(出典歌舞伎入間詞大名賢儀(1792)三)
  4. さかんにほめて人の気持をあおりたてる。何かをやらせようとして、その気になるようにしむける。
    1. [初出の実例]「自慢の大ふぐり・おだてられ金泊を置く」(出典:雑俳・伊勢冠付(1772‐1817))
  5. 静かにおさまっている物を、かきまわしたりして乱す。
    1. [初出の実例]「ゴミヲ odateru(オダテル)」(出典:和英語林集成初版)(1867))

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