指嗾(読み)シソウ

デジタル大辞泉 「指嗾」の意味・読み・例文・類語

し‐そう【指×嗾/使×嗾】

[名](スル)人に指図して、悪事などを行うように仕向けること。指図してそそのかすこと。
「その子供を―して親爺おやじの金を持ち出させた親ざるは」〈寅彦・さるかに合戦桃太郎
[補説]「しぞく」と読むのは誤り。
[類語]おだてる唆す仕向ける教唆駆り立てるけしかける

し‐ぞく【指×嗾/使×嗾】

指嗾しそう」の誤読

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「指嗾」の意味・読み・例文・類語

し‐そう【指嗾・使嗾】

  1. 〘 名詞 〙 指図して行なわせること。そそのかすこと。けしかけてつかうこと。また、そのもの。しぞく。
    1. [初出の実例]「当時所謂武士者、狃其豢養、供其使嗾」(出典日本外史(1827)五)
    2. 「順良なる生徒を使嗾して此騒動を喚起せるのみならず」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一一)
    3. [その他の文献]〔蘇軾‐石鼓詩〕

し‐ぞく【指嗾】

  1. 〘 名詞 〙 「しそう(指嗾)」を誤読したもの。
    1. [初出の実例]「権貴者の指簇(シゾク)する所と為り」(出典:郵便報知新聞‐明治二四年(1891)一一月一三日)

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普及版 字通 「指嗾」の読み・字形・画数・意味

【指嗾】しそう

指図し、そそのかす。宋・軾〔石鼓〕詩 亂を厭(いと)うて、人方(まさ)に賢を思ひ 中興して、天爲に耆(きかう)(長老の人)を生ず 東のかた徐を征して、(かん)たる(叫ぶ)虎(かうこ)あり 北のかた犬戎を伏して、指嗾に隨はしむ

字通「指」の項目を見る

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