(読み)ア

精選版 日本国語大辞典 「唖」の意味・読み・例文・類語

おし【唖】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おうし」の変化した語 ) 発声聴覚器官障害によって、言葉を発することができないこと。音声による話ができないこと。また、その人。聴覚を失っているための言語障害の場合を聾唖(ろうあ)、聴覚は完全で、言語機能だけが失われている場合を聴唖(ちょうあ)という。おうし。
    1. [初出の実例]「をしことどもりとぞ、大乗そしりたる罪にも、数(かず)へたるかし」(出典源氏物語(1001‐14頃)常夏)

おうしおふし【唖】

  1. 〘 名詞 〙おし(唖)
    1. [初出の実例]「其の三を建皇子と曰す。唖(オフシ)にして語(まことと)ふこと能はず」(出典:日本書紀(720)天智七年二月(北野本訓))
    2. 「めづかいで唖が遣ふぞうりとり」(出典:雑俳・媒口(1703))

おっし【唖】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おうし」の変化した語 ) =おし(唖)
    1. [初出の実例]「無事にて候はば、おっし・文盲・あきじりめくらのごとくにて、人間の諸用かなはず」(出典:仮名草子・可笑記(1642)三)

あ【唖】

  1. 声に出して話すことのできない障害。
    1. [初出の実例]「五指僅に動ひて、意は已に通ず、〈略〉其唖なるを知らず」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android