国吉村(読み)くによしむら

日本歴史地名大系 「国吉村」の解説

国吉村
くによしむら

[現在地名]弘前市国吉・高野こうや館後たてうしろ

岩木川大秋たいあき川の合流点より東に開け、北は百沢ひやくざわ(現中津軽郡岩木町)、西は黒土くろつち村、東は岩木川を挟んで支村の高野に接し、南は岩木川に面する。天文年間(一五三二―五五)の津軽郡中名字に「望石くにいし」とあるのがこの村をさすと思われる。

津軽一統志」によれば、慶長一〇年代に古城を書上げたなかに国吉とみえ、寛永一七年(一六四〇)一一月二日の津軽百助宛の津軽信義黒印知行宛行状(国立史料館蔵)に村名がある。正保二年(一六四五)の津軽知行高之帳の鼻和はなわ郡に村名があり、村高三〇一・五四石、うち田方二七八・五四石とあり、村高は貞享元年(一六八四)の郷村帳までほぼ変更がない。

国吉村
くにしむら

[現在地名]糸満市国吉くによし

大里うーざとう村の南に位置する。絵図郷村帳・琉球国高究帳には島尻大里しまじりうーざとう間切国吉村、「琉球国由来記」には高嶺たかんみ間切国吉村とみえる。高究帳によると高頭二一三石余、うち田一一九石余・畠九三石余。間切集成図には高嶺間切本番所から真壁まかび間切番所へと続く宿道の西に集落が描かれ、国吉村と記される。集落の南西側には井がみえる。脇地頭である国吉地頭の任地で、地方は国吉掟が管掌(琉球国由来記)。国吉地頭職は査氏一世の国吉親雲上真元から六代続き、六世の真春の後は鄭氏一一世鄭思善国吉親雲上、梁氏九世梁邦翰国吉親雲上、梁氏一〇世梁国吉親雲上、向氏国吉親雲上朝祥、柏氏六世柏応竜国吉親雲上良里、同七世柏維藩国吉親雲上良遐、同八世柏汝楫国吉親雲上良林、柯氏六世柯続功国吉親雲上房伯、柯氏七世柯文煥国吉親雲上房雄、向氏国吉親方朝章、毛有増国吉親雲上、林長隆国吉親雲上らが任じられた(「家譜資料」那覇市史など)

国吉村
くによしむら

[現在地名]浜松市国吉町

萱場かやば村の東、天竜川右岸に位置。豊田郡に属する。嘉応三年(一一七一)二月日の池田庄立券状写(松尾大社文書)にみえる国吉保は当地に比定される。同保は池田いけだ庄内に位置し、田六一町六反四丈、うち見作五九町六反四丈・年荒二町。保内には羽婆里(一―三六坪)・小池里外(二八所)・楊田里外(一六所)があった。小池里は近世の豊田郡小池こいけ村にかかわるものと考えられる。松平忠頼領郷村帳では高六八石余、田八反余・畑九町九反余。領主の変遷は中野町なかのまち村と同じ。天竜川の池田渡の定助船役村を勤めた(東海道宿村大概帳)。たびたび天竜川の水害に見舞われた。元禄一一年(一六九八)には四町余にわたって砂利が入り(高橋家文書)、文化一〇年(一八一三)、同一三年の破堤、文政一〇年(一八二七)の「天竜川満水、国吉村ニ而堤切水入」などがある(「諸用記」高林家文書など)

国吉村
くによしむら

[現在地名]市原市西国吉にしくによし

寺谷てらやつ村の東に位置する。市原郡内にのちの東国吉村と改称する同名村があるため、西国吉と称する。応永期(一三九四―一四二八)と推定される馬野郡惣勘文(覚園寺文書)に国吉とみえ、四〇町五反としている。根本台ねもとだい沖台おきだいに残る土塁・空堀などの遺構を西国吉砦跡とする。曲輪くるわ堀之内ほりのうちなどの地名がある。文禄三年(一五九四)の上総国村高帳には国吉村とみえ、高五九二石。正保国絵図では高五九七石余とする国吉村が当村か。元禄郷帳では高五九二石余で、幕末まで同様。寛政五年(一七九三)の上総国村高帳では家数一三二、旗本三好領で、幕末まで同氏領。

国吉村
くによしむら

[現在地名]吉井町福永ふくなが

能楽のうらく村の北に位置し、橘田たちばなだ村・溝口みぞぐち村などと隣接する。本高は五四石余(元禄国絵図)。「在方諸覚書」では古高四〇石・役高一七〇石。寛政九年(一七九七)の弐番永覚帳(田代家文書)では役高一一七石余。享和二年(一八〇二)の春免高帳では高一一八石、文化四年(一八〇七)畝付帳では本田九畝余・開田五畝余・畑田五町五反余・畑一町四反余・居屋敷一反。

国吉村
くによしむら

[現在地名]市原市東国吉ひがしくによし

高倉たかくら村の南に位置し、村田むらた川が流れる。市原郡内にのち西国吉村となる同名村がある。文禄三年(一五九四)の上総国村高帳に村名がみえ、高五九五石。正保国絵図では高二七八石余。元禄一四年(一七〇一)当時は旗本本多領であった(本多四公日記)。元禄郷帳では高二五八石余。寛政五年(一七九三)の上総国村高帳では高二四八石余で家数四九、旗本森・高田領。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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