日本大百科全書(ニッポニカ) 「国連経済特別総会」の意味・わかりやすい解説
国連経済特別総会
こくれんけいざいとくべつそうかい
General Assembly Special Session on International Economic Cooperation
経済問題を取り扱った国連の特別総会は、第6回(1974)、第7回(1975)、第11回(1980)、第18回(1990)と開かれているが、第6回は国連資源特別総会とよばれる。第6回特別総会では、「新国際経済秩序樹立に関する宣言」が採択され、開発途上国の経済発展を促進するために新しい国際秩序を樹立する必要性が認められた。第7回特別総会では、その秩序の具体化が話し合われ、政府間援助目標や通貨問題をも含んだ発展と経済協力に関する決議が採択された。第11回特別総会では、すべての経済分野について包括的に南北間で交渉を行い新国際経済秩序を樹立しようとする包括的南北交渉に関する決議が採択された。第18回特別総会では「国際経済協力、とくに開発途上国の経済成長および発展の活性化に関する宣言」が採択され、経済協力の目的は基本的人権の実現であることを確認し、世界経済の持続的成長を図るための国際協力を推進することを宣言した。1990年代に入り発展の問題を経済問題に限らず社会発展として総合的にとらえるべきだとする考えが有力になると、95年には社会開発サミットが開かれ、2000年にはそのフォローアップのための社会開発(第24回)特別総会が開かれるようになった。
[佐分晴夫]