国際保健規則(読み)コクサイホケンキソク

デジタル大辞泉 「国際保健規則」の意味・読み・例文・類語

こくさい‐ほけんきそく【国際保健規則】

感染症などによる国際的な健康危機に対応するために世界保健機関WHO)が定めた規則。「国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、疾病の国際的伝播を最大限防止すること」を目的とする。1951年に国際衛生規則(ISR)として制定され、1969年に現在の名称に改められた。交通・流通の国際化に伴い、発生地での初期対応の遅れが世界的な被害拡大につながる危険性を増していることなどから、2005年に大幅に改正。対象をそれまでの黄熱コレラペストの3疾患から「原因を問わず、国際的に公衆衛生上の脅威となりうる、あらゆる健康被害事象」に拡大。自然に発生した感染症だけでなく、テロ不慮の事故で漏出した化学物質放射性物質による疾病の集団発生なども対象となる。IHR(International health regulations)。

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共同通信ニュース用語解説 「国際保健規則」の解説

国際保健規則

疾病の国際的な流行防止を目的とする世界保健機関(WHO)の規則。各国報告が求められる疾病は黄熱病、コレラ、ペストの三つだったが、2005年の改定で、世界的な感染拡大の恐れがある事象は全て24時間以内のWHOへの報告が義務化された。規則に基づくWHOの「緊急事態」は新型コロナウイルス感染症エボラ出血熱など、これまでに7例ある。(ジュネーブ共同)

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世界大百科事典(旧版)内の国際保健規則の言及

【伝染病】より

…そのほかに結核予防法,らい予防法(1997年に廃止),性病予防法,寄生虫病予防法(1994年に廃止),エイズ予防法(1989年に施行)などにより届出を必要とする伝染病や,学校保健法による学校伝染病の規定もある。また検疫における予防対象である検疫伝染病はコレラ,ペスト,黄熱の3病で,国際保健規則(悪疫の国際間伝播を防止するための国際的なとりきめ)にのっとり,国内法としては検疫法により定められている。しかし,これらの個別法規が実情に合わなくなってきているため,厚生省では,伝染病予防法を廃止して,総合感染症対策の実施を検討中である。…

※「国際保健規則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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