改訂新版 世界大百科事典 「国際地理学連合」の意味・わかりやすい解説
国際地理学連合 (こくさいちりがくれんごう)
International Geographical Union
IGUと略す。1871年にアントワープにおいて第1回の国際地理学会議(IGC)が開催され,それ以来3年ごとに会議が開かれたが,1922年7月には恒久的機関として国際地理学連合(IGU)が設置された。82年現在83ヵ国が加盟,会長,8人の副会長,事務局長からなる執行委員会がその運営にあたる。加盟国にはIGUと連絡する国内委員会があり,日本では日本学術会議に所属する地理学研究連絡委員会がその役割を果たしている。通常4年ごとに総会とIGCを開催,その間には大陸規模の地域会議も行われる。多数の常設研究委員会や作業部会があり,地形学,気候学,水文学,環境問題,経済地理学,人口問題,地域政策,地理教育など多方面にわたる基本的研究および新領域の方法論の開拓に努めている。また,FAOやUNESCO(ユネスコ)等の国際機関との連絡や共同研究を進めるための特別委員会も活動している。1980年には日本で第15回総会と第24回IGCが開催され,その《プロシーディングス》2巻が刊行された。
執筆者:西川 治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報