土呂部村(読み)どろぶむら

日本歴史地名大系 「土呂部村」の解説

土呂部村
どろぶむら

[現在地名]栗山村土呂部

日加倉ひがくら(一三六八・六メートル)の東側に位置し、多くの沢が流れ込んでいる鬼怒川支流の土呂部川が南流する。湯西川ゆにしかわ高手たかでから南下し、土呂部峠を越えて当村および南の黒部くろべ村に至る往還は、鬼怒川に沿って形成された表栗山の集落と、湯西川に沿って形成された裏栗山の集落とを結ぶ重要な経路であった。地名水芭蕉の繁茂するような湿原があることによるといわれる。

近世はおおむね日光領。寛文六年(一六六六)日光領総検地により、畑・屋敷のみ反別二九町六反余、高六〇石余が確定したと思われる(「日光御領石高家数人別掃除丁場控」関根矢太郎文書)。なお元禄郷帳・天保郷帳ともに土呂部村の記載はなく、元禄一四年(一七〇一)の日光領目録(日光山御領知目録)では黒部村・土呂部村の二村が併記され、高九七石余とある。旧高旧領取調帳では独立村として記載され高六〇石余。一方、年貢割付状・皆済目録(神山弥一文書)などは、当村および黒部村のそれぞれに出されており、それぞれが独立村として扱われている。年貢は定免金納で、近世期を通して金六両一分余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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