地窓(読み)じまど

日本大百科全書(ニッポニカ) 「地窓」の意味・わかりやすい解説

地窓
じまど

一般に床面に接して設けられる窓をいう。地窓をつくるのは、(1)床面の掃除に便利なため、(2)欄間(らんま)を併用して室内換気を促進するため、(3)床面の採光のため、(4)室内意匠のため、などで、とくに(1)の目的のものを掃出し窓という。和室(畳敷きの室)では一般に人間の体の位置が低いので(2)(3)は機能上からも有効で、これと(4)が絡み合って違い棚あるいは床の間に地窓をとることが多い。

[山田幸一]

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百科事典マイペディア 「地窓」の意味・わかりやすい解説

地窓【じまど】

フェンスターとも。押しかぶせ断層横臥褶曲(おうがしゅうきょく)によりできたデッケン構造をなす地域において,浸食によって,相対的に下位岩体デッケ)が上位の岩体に窓枠のように取り囲まれて露出している構造谷底など深く浸食された部分に多い。しかし,重なりあったデッケとデッケを境する面が凹凸をもつことも多いので,盛り上がった部分が,谷底でなくても地窓をなすことがある。
→関連項目アルプス[山脈]

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世界大百科事典(旧版)内の地窓の言及

【ナップ】より

…有名なミテン山のクリッペは,白亜系~古第三系のフリッシュ層の上により古い三畳系~ジュラ系がのっている。これと反対にナップのある部分がとくに浸食されて,ナップより下の地層群がナップ中に露出したとき,これを地窓(フェンスター)という。オーストリア中央部のホーエ・タウエルン地域は,西アルプスのペンニン帯の岩石が東アルプスの中に顔を出しているところといわれている。…

※「地窓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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