近世中期の砲術家。荻野(おぎの)流増補新術(ぞうほしんじゅつ)(天山流)の創始者。通称孫八、名は俊豈(としやす)、天山と号した。信州高遠(たかとお)藩士の家に生まれ、少年のころから父運四郎英臣(ひでおみ)について荻野流砲術を学び、1767年(明和4)23歳のとき、大坂玉造(たまつくり)の荻野流宗家に赴いて皆伝免許を受けたが、これに満足せず、帰藩後も独自の研究を続け、78年(安永7)旋回俯仰(ふぎょう)が自在にできる大砲の砲架を発明し、「周発(しゅうはつ)台」と名づけた。87年(天明7)一時閉門を命ぜられたが、以後著作と門弟の教授に専念した。1801年(享和1)3子鉉之助(げんのすけ)を伴って長崎に遊び、大村、平戸(ひらど)の諸藩に招かれ砲術を指導したが、享和(きょうわ)3年2月、病を得て平戸藩屋敷に没した。
[渡邉一郎]
(所荘吉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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