出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…サンスクリット名はバジュラ・サットゥバVajra‐sattvaḥで,執金剛,金剛手秘密主などと漢訳された。衆生が生まれながらに持つ菩提心(ぼだいしん)を象徴すると同時に,菩提心によって無上の悟りを求める者を代表する。密教付法の第2祖ともいわれる。形像は菩薩形であるが,胎蔵界曼荼羅金剛手院の像と金剛界曼荼羅理趣会,成身会,微細会の像とでは,持物と手の位置に差が見られる。後者に作例があり,それは左手に五鈷鈴(ごこれい),右手に五鈷杵(ごこしよ)を持つ。…
…古代インドで,インドラ神や執金剛神が持つとされる武器。また,密教で用いられる法具の一種。…
…阿形の仁王像も金剛杵を持ち,密迹金剛力士の当初の性格を示す。 金剛杵を持つ尊像に執金剛神(しゆうこんごうじん∥しゆこんごうしん)があるが,これも金剛力士,密迹力士,密迹金剛力士などの称があり,金剛杵を執ってつねに釈尊を守る神であるから,仁王の本来の尊像と同一のものである。中国の竜門や雲岡の諸像の中に鎧を着た武将像として表現され,日本の古代の作例の中にも東大寺三月堂の須弥壇上にある乾漆造仁王像(奈良時代)や法隆寺蔵橘夫人厨子扉絵の像,東大寺三月堂の執金剛神像(奈良時代)は鎧で武装した像であり,中国の像の形式を伝えるものといえる。…
…阿形の仁王像も金剛杵を持ち,密迹金剛力士の当初の性格を示す。 金剛杵を持つ尊像に執金剛神(しゆうこんごうじん∥しゆこんごうしん)があるが,これも金剛力士,密迹力士,密迹金剛力士などの称があり,金剛杵を執ってつねに釈尊を守る神であるから,仁王の本来の尊像と同一のものである。中国の竜門や雲岡の諸像の中に鎧を着た武将像として表現され,日本の古代の作例の中にも東大寺三月堂の須弥壇上にある乾漆造仁王像(奈良時代)や法隆寺蔵橘夫人厨子扉絵の像,東大寺三月堂の執金剛神像(奈良時代)は鎧で武装した像であり,中国の像の形式を伝えるものといえる。…
…古代インドで,インドラ神や執金剛神が持つとされる武器。また,密教で用いられる法具の一種。…
※「執金剛神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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