執金剛神(読み)しゅうこんごうじん

精選版 日本国語大辞典「執金剛神」の解説

しゅうこんごう‐じん シフコンガウ‥【執金剛神】

仏語。手に金剛杵(こんごうしょ)を持ち仏法を護る夜叉神。その形相は、初期には着甲の神将形にあらわされたが、後には半裸の力士形が一般に行なわれ、二神一対で寺門などを守護する神とされた。いわゆる、仁王のこと。持金剛、執金剛力士、金剛力士、密迹力士など、種々の称がある。密教では大日如来の眷属(けんぞく)として諸種の金剛の名を与え、その上首である金剛手秘密主を大日如来の因位を表わす金剛薩埵とする。しっこんごう。しっこんごうじん。しゅうこんごう。
※霊異記(810‐824)中「の山寺に一つの執金剛神摂像を居く」

しゅこんごう‐じん シュコンガウ‥【執金剛神】

しゅうこんごうじん(執金剛神)〔書言字考節用集(1717)〕

しっこんごう‐じん シッコンガウ‥【執金剛神】

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デジタル大辞泉「執金剛神」の解説

しゅうこんごう‐じん〔シフコンガウ‐〕【執金剛神】

手に金剛杵こんごうしょを持ち、仏法を守護する夜叉神やしゃじん。本来は一つの神格であるが、日本では多く二神一対として寺門の左右に置かれる。一般に半裸の力士形で、仁王ともいう。金剛神。金剛力士。密迹みっしゃく金剛。執金剛。持金剛。しっこんごうじん。→金剛力士

しゅこんごう‐じん〔シュコンガウ‐〕【執金剛神】

しゅうこんごうじん(執金剛神)

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世界大百科事典内の執金剛神の言及

【金剛薩埵】より

…サンスクリット名はバジュラ・サットゥバVajra‐sattvaḥで,執金剛,金剛手秘密主などと漢訳された。衆生が生まれながらに持つ菩提心(ぼだいしん)を象徴すると同時に,菩提心によって無上の悟りを求める者を代表する。密教付法の第2祖ともいわれる。形像は菩薩形であるが,胎蔵界曼荼羅金剛手院の像と金剛界曼荼羅理趣会,成身会,微細会の像とでは,持物と手の位置に差が見られる。後者に作例があり,それは左手に五鈷鈴(ごこれい),右手に五鈷杵(ごこしよ)を持つ。…

【金剛杵】より

…古代インドで,インドラ神や執金剛神が持つとされる武器。また,密教で用いられる法具の一種。…

【仁王】より

…阿形の仁王像も金剛杵を持ち,密迹金剛力士の当初の性格を示す。 金剛杵を持つ尊像に執金剛神(しゆうこんごうじん∥しゆこんごうしん)があるが,これも金剛力士,密迹力士,密迹金剛力士などの称があり,金剛杵を執ってつねに釈尊を守る神であるから,仁王の本来の尊像と同一のものである。中国の竜門や雲岡の諸像の中に鎧を着た武将像として表現され,日本の古代の作例の中にも東大寺三月堂の須弥壇上にある乾漆造仁王像(奈良時代)や法隆寺蔵橘夫人厨子扉絵の像,東大寺三月堂の執金剛神像(奈良時代)は鎧で武装した像であり,中国の像の形式を伝えるものといえる。…

【仁王】より

…阿形の仁王像も金剛杵を持ち,密迹金剛力士の当初の性格を示す。 金剛杵を持つ尊像に執金剛神(しゆうこんごうじん∥しゆこんごうしん)があるが,これも金剛力士,密迹力士,密迹金剛力士などの称があり,金剛杵を執ってつねに釈尊を守る神であるから,仁王の本来の尊像と同一のものである。中国の竜門や雲岡の諸像の中に鎧を着た武将像として表現され,日本の古代の作例の中にも東大寺三月堂の須弥壇上にある乾漆造仁王像(奈良時代)や法隆寺蔵橘夫人厨子扉絵の像,東大寺三月堂の執金剛神像(奈良時代)は鎧で武装した像であり,中国の像の形式を伝えるものといえる。…

【金剛杵】より

…古代インドで,インドラ神や執金剛神が持つとされる武器。また,密教で用いられる法具の一種。…

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