デジタル大辞泉
「堪」の意味・読み・例文・類語
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こた・える こたへる【堪】
〘自ア下一(ハ下一)〙 こた・ふ 〘自ハ下二〙
① 耐える。こらえる。耐えしのぶ。我慢する。もちこたえる。こたゆ。
※
三河物語(1626頃)二「城寄出て禦
(ふせぎたたかう)と云供、何かは以、こたゑべき」
② 耐え続ける。保つ。持続する。
※
太閤記(1625)七「大像之仏をば木像にし、
漆膠にてぬり立候へば、
百年はこたへ侍由なりければ」
こら・ゆ【堪】
〘他ヤ下二〙 (ハ行下二段活用の「こらふ」から転じて、
室町時代ごろから用いられた語。多く終止形は「こらゆる」の形をとる) =
こらえる(堪)〔黒本本節用集(室町)〕
※虎明本狂言・
武悪(室町末‐近世初)「今までようしゃをしていれども、もはやこらゆる事がならぬ」
こたえ こたへ【堪】
〘名〙 (動詞「こたえる(堪)」の
連用形の
名詞化) 耐えること。こらえること。こらえ。
※
人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)初「行き逢ふはづみ突き当り〈略〉只の
処女(むすめ)のお袖が身は、耐
(コタヘ)なければよろめきつつ」
こた・ゆ【堪】
〘自ヤ下二〙 (ハ行下二段活用の「こたふ」とともに、室町ごろから用いられた語。多く終止形は「こたゆる」の形をとる) =
こたえる(堪)〔文明本節用集(室町中)〕
※俳諧・枯尾花(1694)下「
骨肉にこたゆるけふのしぐれ哉〈楚舟〉」
た・ゆ【堪】
〘自ヤ下二〙 (ハ行下二段動詞「たふ(堪)」から転じて中世頃から用いられた語) =
たえる(堪)※
発心集(1216頃か)三「大方人の当りは、けがらはしくくさくて、たゆべくもあらねば」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報