(読み)カン

デジタル大辞泉 「堪」の意味・読み・例文・類語

かん【堪】[漢字項目]

常用漢字] [音]カン(漢) タン(慣) [訓]たえる こらえる たまる
たえる。こらえる。「堪忍
すぐれている。「堪能かんのう不堪
[補説]「堪能たんのう」は「足んぬ」の音変化で「堪能」は当て字
[名のり]たえ

たん【堪】[漢字項目]

かん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「堪」の意味・読み・例文・類語

こたえこたへ【堪】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こたえる(堪)」の連用形名詞化 ) 耐えること。こらえること。こらえ。
    1. [初出の実例]「行き逢ふはづみ突き当り〈略〉只の処女(むすめ)のお袖が身は、耐(コタヘ)なければよろめきつつ」(出典人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)初)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「堪」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

[字音] カン・タン
[字訓] たえる・すぐれる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は甚(じん)。甚に戡(かん)・(たん)の声がある。〔説文〕十三下に「地なり」とあり、(突)とは竈突(そうとつ)(かまど)の意であろう。甚は土竈の上に鍋をおく形で、(じん)は竈。天地を堪輿というのは、器物を焼成するように万物を造成する意。焼成して堅固となるので、ものにたえ、すぐれる意となる。(たん)と通用し、楽の意に用いる。

[訓義]
1. たえる、すぐれる、さかん。
2. かまど、竈突。
3. と通用し、たのしむ。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕堪 アヘテ・ヨシ・タフ・タヘタリ・キヌイタ・オホキナリ

[語系]
堪・戡khmは同声。戡は戡定・克勝の意。克khkも克定の意。戡は刺す、克は剋剝(こくはく)の意がある。また桑の実の黒ずんだものをthm、酒の熟したものをdzjim、かまどをdzjimという。以下は、甚の原義を承けるところがある。

[熟語]
堪可堪巌堪士堪事堪笑堪羨・堪忍堪任・堪能・堪輿堪用
[下接語]
何堪・久堪・克堪・難堪・不堪・無堪

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android