デジタル大辞泉 「堪忍」の意味・読み・例文・類語 かん‐にん【堪忍】 [名](スル)1 怒りを抑えて、人の過ちを許すこと。勘弁。「悪かった、堪忍してくれ」2 肉体的な痛みや苦しい境遇などをじっとこらえること。我慢すること。忍耐。「且かつ力を尽し且―して時節を待つ可きなり」〈福沢・学問のすゝめ〉[類語]承知・容赦・許可・認可・許諾・承認・認許・允許いんきょ・允可いんか・容認・許容・聴許・裁許・免許・公許・官許・許し・オーケー・ライセンス・勘弁・裁可・特許・宥恕・黙許・批准・寛恕・海容・目こぼし・見て見ぬ振り(―する)許す・認める・見逃す・見過ごす・大目に見る・目をつぶる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「堪忍」の意味・読み・例文・類語 かん‐にん【堪忍】 〘 名詞 〙① 不利な状況にあって堪え忍ぶこと。こらえること。がまんすること。身体的苦痛や苦しい境遇に堪えることをいう。[初出の実例]「今夜北風大吹、飛雪紛々、寒気入レ骨、不レ可二堪忍一」(出典:中右記‐天仁元年(1108)一二月一一日)「将軍、京都には、一日も堪忍(カンニン)し給はじと覚えしを」(出典:太平記(14C後)一九)② 怒りをこらえて、他人のあやまちを許すこと。勘弁。[初出の実例]「守護改レ致二押領一、依レ令二在国一渡レ之、父子堪忍者也」(出典:親長卿記別記‐長享三年(1489)六月二九日)「涯分かんにんしたれ共、此度はこらゆる事がならぬ程に」(出典:虎明本狂言・武悪(室町末‐近世初))「かわいいもかわいらしいもかわいそふだも、同(おんな)じことじゃアありませんかへ。そんなら私(わちき)がわりいから、堪忍(カンニン)しておくんなさいナ」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初)[その他の文献]〔魏書‐李洪之伝〕③ 扶助料の意の「堪忍分」を受けていること。また、その人。客分。[初出の実例]「今暁兵衛尉尚盛〈兵衛五郎〉卒去〈略〉。譜代堪忍之者也」(出典:康富記‐応永二五年(1418)八月五日)④ やっと生活していること。また、その程度の収入。生活のための費用。最低の生活費。[初出の実例]「以二反米器物十石分一来月可二進上一〈略〉御家撲等勘忍御用也云々」(出典:大乗院寺社雑事記‐応仁二年(1468)閏一〇月二六日)⑤ ( [梵語] sahā 「娑婆」の訳語。「苦難に堪え忍ばなければならない世界」の意 ) この世のこと。〔法華経玄賛‐二本〕 か‐に【堪忍】 〘 名詞 〙 「かんにん(堪忍)」の変化した語。[初出の実例]「あれさ、かにしておくんなんし」(出典:洒落本・妓娼子(1818‐30)上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
普及版 字通 「堪忍」の読み・字形・画数・意味 【堪忍】かんにん がまんする。〔魏書、酷吏、李洪之伝〕洪之、志性慷、堪する多し。疹疾灸療するに、(もぐさ)圍將(ほとん)ど二寸、首足十餘處、一時に(とも)に下すも、言笑すること自たり。字通「堪」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報 Sponserd by
世界大百科事典(旧版)内の堪忍の言及 【娑婆】より …それゆえ,娑婆は正しくは娑婆世界Sahā‐lokadhātuである。一方,これとは別に,堪忍(たんにん),能忍とも,雑会(ぞうえ)とも訳されている。前2者は原語のサハーを〈堪えるsah〉という動詞からつくられた語と解したためであり,後者はサハーとはまったく別の〈集会sabhā〉が原語であると解したためである。… ※「堪忍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」 Sponserd by