20世紀日本人名事典 「塩尻公明」の解説
塩尻 公明
シオジリ コウメイ
- 生年
- 明治34(1901)年11月6日
- 没年
- 昭和44(1969)年6月12日
- 出生地
- 岡山県
- 学歴〔年〕
- 東京帝大法科政治科〔大正14年〕卒
- 経歴
- 大正14年大学を出ると同時に西田天香の一燈園に入り、2年間、求道的生活を送った。学生時代、内村鑑三の影響を受け、20代は親鸞、30代は道元に熱中した。戦争中は高知高校で教鞭をとり、戦後24年から40年まで神戸大学教授を務めた。高校の時の教え子木村久夫陸軍上等兵が上官の罪をきて21年シンガポールで死刑に処せられたことを知り、その遺書を「新潮」23年6月号に発表、世に紹介した。これは同年「或る遺書について」として刊行された。学問的にはジョン・スチュアート・ミルの著作を翻訳、研究したが、求道的な立場は終生変わらなかった。他に「自と他の問題」「天分と愛情の問題」「ベンサムとコールリッジ」などの著書がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報