塵点劫(読み)ジンデンゴウ

デジタル大辞泉 「塵点劫」の意味・読み・例文・類語

じんでん‐ごう〔ヂンデンゴフ〕【×塵点×劫】

仏語。計ることのできないようなきわめて長い時間。塵劫

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精選版 日本国語大辞典 「塵点劫」の意味・読み・例文・類語

じんでん‐ごうヂンデンゴフ【塵点劫】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じんてんごう」とも ) 仏語。はかりきれない長い時間をいう。法華経に説くたとえに由来する。三千大千世界のあらゆる地の存在を構成する要素を集め、すりつぶして墨を作り、一千の国土を過ぎるごとにその墨の一点をたらし、墨をすべて使い尽くしてから、その過ぎ去ったあらゆる世界を微塵に砕いて、その一塵を一劫とした場合、微塵のすべてを合計した劫の長さを三千塵点劫といい、大通智勝仏出世久遠であるたとえとする。別に似たたとえを用いて釈迦如来成仏の久遠であることを説き、これを五百塵点劫と称するが、正確な解釈ではない。塵劫(じんこう)塵点。塵点久遠劫(じんでんくおんごう)
    1. [初出の実例]「歴塵点劫、懐済衆之仁、無芥子地非捨身之処」(出典教行信証(1224)二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塵点劫」の意味・わかりやすい解説

塵点劫
じんてんごう

仏教用語。途方もなく長い時間のたとえ。 (1) 『法華経』化城喩品には,大通智勝仏の滅度以来の久遠の時間を三千塵点劫という。これは三千大千世界全体をすりつぶして墨汁とし,それを一千国土を経過するごとに1点ずつ落して,その墨汁全部が尽きたとき経過した全国土をみじんに砕いて,その一塵を一劫としても,その久遠の時間にははるかに及ばない,という。 (2) 『法華経』寿量品には,釈尊の成道以来の久遠の時間を五百塵点劫とする。五百千万那由他阿僧祇の三千大千世界をみじんに砕き,そのちりを五百千万那由他阿僧祇の国土を過ぎるごとに1つずつ下して,そのすべてが尽きたときまでに経過した全国土をみじんに砕き,その一塵を一劫として数えても,釈尊成道以来の久遠の時間にははるかに及ばない,という。 (→ )

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