塼室墓(読み)せんしつぼ

世界大百科事典 第2版「塼室墓」の解説

せんしつぼ【塼室墓】

死者を埋葬するとき,を用いて室を構築したもの。中国では前漢時代の中原地方で,貴重な木材にかえて空心塼(粘土板を箱形に貼りあわせて板やの形につくる大型塼)を組み立てた墓室が多くつくられた。前漢中期以降,地上居室と同じような空間を地下につくる意図が流行し,墓室の空間が拡張する。三角形など墓室の構造にあわせた空心塼が登場するが,結局小塼の利用によって空心塼墓はすたれる。小塼は煉瓦のような長方塼で,ドーム式やアーチ式の高い天井を築くことが可能であることから,中国全域に普及し,以来近世まで墓の構造材として長く使われた。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

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