日本大百科全書(ニッポニカ) 「士幌」の意味・わかりやすい解説
士幌(町)
しほろ
北海道中南部、十勝(とかち)総合振興局管内、帯広(おびひろ)市近郊の町。1921年(大正10)音更(おとふけ)村から分村、1962年(昭和37)町制施行。町名はアイヌ語「シュホロペツ」(鍋(なべ)を水に浸(つ)けた川の意)、または「シポロ」(広大な土地の意)による。十勝平野北部に広がる標高150~350メートルの洪積台地が町域の大部分を占め、西部を音更川、東部を士幌川が南流。国道241号、274号が通じる。旧国鉄士幌線は1987年廃止、バスに転換した。中心市街は士幌。明治末期に南部の開拓開始、1925年の鉄道開通後、入植者が増加した。ジャガイモ、サトウダイコン、小麦、豆類などの畑作、酪農、肉牛飼養、デンプン、ポテトチップなどの農産加工が基幹産業。北西部の東ヌプカウシヌプリは大雪山国立公園域で、山麓(さんろく)の士幌高原は広大な放牧場であり、また十勝平野の好展望台。面積259.19平方キロメートル、人口5848(2020)。
[古川史郎]
『『士幌村史』(1962・士幌村)』