壬生河岸(読み)みぶかし

日本歴史地名大系 「壬生河岸」の解説

壬生河岸
みぶかし

[現在地名]壬生町大師町・通町・駅東町・元町表町

壬生城下のくろ川沿いに設けられた五河岸の総称で、壬生五河岸ともいう。「下野一国」および元禄三年(一六九〇)の幕府廻米津出浦々河岸之道法并運賃書付(徳川禁令考)に壬生河岸とある。下流からしも河岸・清水しみず河岸・宮下みやした河岸・なか河岸・かみ河岸と称した。下河岸は城下おもて町に、ほかは同とおり町にあった。正徳二年(一七一二)の舟数は二七(「壬生町明細帳」大島忠介文書)。五河岸の成立については不明だが、自然的立地として優れているのは下河岸で、これが最初に創設されたと考えられる。元禄五年頃までは壬生城大手門は城の南にあり、大手から壬生通に沿った表町が商業的中心地で、それに近い下河岸、次いで清水河岸が開設されたと考えられる。元禄五年から八年の松平輝貞の時に、壬生城の改築が行われ城下の町割も改められた。大手門は城の東に移され、商業的中心地も南部の表町から東部の通町に移動し、藩の米蔵も通町に新設された。このような商業地域の変動に応じるかたちで、中河岸・宮下河岸、そして最後に上河岸が創設されたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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