変性剤(読み)ヘンセイザイ(英語表記)modifying agent

デジタル大辞泉 「変性剤」の意味・読み・例文・類語

へんせい‐ざい【変性剤】

工業原料を嗜好品しこうひんなどに転用されないために加える毒性臭気のある物質工業塩に加えるタールなど。

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精選版 日本国語大辞典 「変性剤」の意味・読み・例文・類語

へんせい‐ざい【変性剤】

〘名〙 変性させるために加えられる薬剤

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「変性剤」の意味・わかりやすい解説

変性剤
へんせいざい
modifying agent

エタノールエチルアルコール)、食塩、たばこなどの飲食嗜好(しこう)用品は、工業用目的に供給する場合には無税で販売される。これらがその用途以外に転用されることを防ぐために少量加えられるものを変性剤といい、これには不快な味や悪臭を与え、容易に分離できず、かつ工業上の使用に差し支えないものが用いられる。たとえば、エタノール(エチルアルコール)にはメタノールメチルアルコール)、ホルマリン(ホルムアルデヒド37%水溶液)、アセトアルデヒドピリジン酢酸など、また食塩には石炭粉、コールタール酸化鉄など、たばこにはせっけん、銅などが添加される。

蜷川 彰]

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栄養・生化学辞典 「変性剤」の解説

変性剤

 (1) 物質の本来性質を失わせる薬剤.通常共有結合を切断するようなものは含めず,例えば立体構造を変化させる薬剤などをいう.タンパク質の変性剤としては,尿素や塩酸グアニジンなどがある.(2) 変性アルコールを作るアルコールの変性剤としては,メタノールなど.

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