特命全権大使,特命全権公使,特派大使,政府代表,全権委員,政府代表等の代理・顧問・随員ならびに外務職員を総称して外務公務員という(外務公務員法2条1項)。その範囲は外交官の観念よりもはるかに広い。ここで外務職員とは,外務省本省に勤務する一般職の国家公務員のうち外交領事事務(これと直接関連する業務を含む)およびその一般的補助業務に従事する者ならびに在外公館に勤務するすべての一般職の国家公務員をいう(同条5項)。外務公務員は,その職務と責任が特殊なものであるから,それに適応するために外務公務員法(1952公布)により,国家公務員法の特例事項(在外公館に勤務する外務公務員の給与,在外公館の査察等)および外交領事事務に関連し必要とされる事項(参事官,書記官,領事等の公の名称,大・公使の信任状の認証等)が定められている。外務公務員法に特例が定められていない場合は,国家公務員法等の規定が外務公務員にも適用される。
執筆者:武藤 正敏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…一般には,外交使節(大使,公使)とそのおもな随員をさすが,法令では,外務公務員のうち,主として外交事務に携わる一般職の職員(参事官,一等書記官,二等書記官,三等書記官および外交官補の名称を用いることのできる者)をさす。外交官に関し,イギリスの外交官ウォットンHenry Wotton(1568‐1639)は〈彼の国のために外国に噓をつくために派遣される正直な人間〉と表現し,フランスの外交官カリエールFrançois de Callières(1645‐1717。…
※「外務公務員」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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