大川上美良布神社(読み)おおかわかみびらふじんじや

日本歴史地名大系 「大川上美良布神社」の解説

大川上美良布神社
おおかわかみびらふじんじや

[現在地名]香北町韮生野

美良布の町並東端、国道一九五号の北側に老杉の茂る宮林がある。旧県社で、「延喜式」神名帳に香美郡四座のうちとして「大川上美良布ミラフノ神社」がある。「土佐国式社考」によれば主神は大田田禰古命で、大物主神ほか数神を併せ祀る。「ミラ」は韮の古称で、韮生にろう地名が神名となり、佳字をあてたものと思われる。川上大明神ともよばれた(長宗我部地検帳、元禄地払帳)

「続日本後紀」承和八年(八四一)八月四日条に「以土佐国美良布神、石土神、並預官社」とあるのが文献上の初見で、続いて「三代実録」貞観八年(八六六)八月七日条に従五位下から従五位上へ昇位の記事がみえる。下って室町期施入の大般若経の奥書に、嘉慶三年(一三八九)、康応二年・明徳元年(ともに一三九〇)年号があり(古文叢)神宮寺だったと思われる大川上日禅にちぜん寺の半鐘銘に応永九年(一四〇二)の年号が残り、古代以来の崇敬が続いていたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「大川上美良布神社」の解説

大川上美良布神社

高知県香美市にある神社。「おおかわかみびらふじんじゃ」と読む。延喜式内社祭神は大田田根子命(おおたたねこのみこと)。毎年11月に行われる神事「おばなれ」は「大川上美良布神社の御神幸」として県の無形民俗文化財指定

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