大師東丹保遺跡(読み)だいしひがしたんぼいせき

日本歴史地名大系 「大師東丹保遺跡」の解説

大師東丹保遺跡
だいしひがしたんぼいせき

[現在地名]甲西町大師 東丹保

甲府盆地南西端の標高二四五メートルの低位に位置する。この一帯は扇端部にあたって湧水の豊富な地域で、付近には弥生時代から古墳時代にかけての遺跡が多く知られている。この地区に甲西バイパス・中部横断自動車道が建設されることになったため、平成五年度と同六年度とに県教育委員会により発掘調査が行われた。調査範囲は幅三〇メートル・長さ四〇〇メートルに及ぶため、南から北にかけてI区―IV区に区分し調査が行われた。その結果、上層の鎌倉時代後半(一三世紀後半―一四世紀前半)中層の古墳時代、下層の弥生時代といった生活面が確認された。遺跡が低地にあることから出水が激しく、そのため木製品をはじめとした有機物の保存状況がきわめて良好であった。

鎌倉時代の面については、II区からは大小の溝により仕切られた区画や建物跡が検出された。各区画からは多くの斎串を中心に呪符や人形が出土しており、馬の歯・刀子・古銭・桃核などと合せて水辺祭祀が行われた場所と考えられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android