豊漁を祈願する予祝として、また漁獲の後(あと)祝いに踊られる踊り。有名なのは千葉県銚子(ちょうし)市のもので、1864年(元治1)の春、鰯(いわし)漁に沸いた銚子で、氏神の川口明神の秋の祭りに神賑(かみにぎ)わいとしてつくられた。今日一般に『銚子大漁節』として親しまれている。
捕鯨で知られる和歌山県新宮(しんぐう)市三輪崎や同県東牟婁(ひがしむろ)郡太地(たいじ)町には「鯨踊」があるが、三輪崎では昔は大漁のとき親船、勢子船(せこぶね)、持双船(もっそうぶね)の各27隻から1人ずつ踊り子を出して海岸で踊ったという。東京都神津島(こうづしま)村の「鰹釣(かつおつり)」は踊りというより物真似(まね)であるが、豊漁予祝の感染呪術(かまけわざ)である。三輪崎も神津島も昔は正月の出初(でぞ)めに踊ったことがあった。高知県香美(かみ)郡夜須(やす)町の「つんつく踊」は小歌踊風ながら豊漁祈願に踊る。
[西角井正大]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
機械メーカー。トヨタグループの総本家で,繊維機械のほかトヨタ自動車からの小型商用車の受託生産,エンジンその他の自動車部品,フォークリフトなどの産業用車両の生産も行なう。1926年豊田佐吉が,みずから発...