大町専修寺跡(読み)おおまちせんしゆうじあと

日本歴史地名大系 「大町専修寺跡」の解説

大町専修寺跡
おおまちせんしゆうじあと

[現在地名]福井市大町 御坊ノ橋

大町の南部にあった真宗寺院。真宗三門徒派本山専照せんしよう(現福井市)略縁起(専照寺蔵)によれば、当寺の開基如導は平判官康頼の曾孫(「中野物語」では越前玉江の渡守とする)、八歳で親鸞弟子となり、法名を空如と称した。弘安八年(一二八五)越前に来て波多野治良左衛門尉通貞の庇護を得、正応三年(一二九〇)八月当地に専修寺を創建したという。法脈は親鸞―真仏―専海―円善―如導と続き、高田系三河門徒の流れをくむ。本願寺三世覚如の子存覚の伝記「存覚一期記」によれば、応長元年(一三一一)五月、大町において田島たじま(現福井県坂井町)の行如(現福井市興宗寺開祖)和田わだの信性(本覚寺開祖)らとともに覚如から「教行信証」の伝授を受けたが、その後如導のみ本願寺から異端視されるようになった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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