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大衆説得 たいしゅうせっとくmass persuasion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大衆説得
たいしゅうせっとく
mass persuasion

おもに言語シンボルやコミュニケーションによって,抵抗を感じさせることなく大衆の意見,態度,信念をあらかじめ意図した方向に変容させる過程および技術。大衆の価値観を変えたり,社会的固定観念を修正したり,新しい政治的イデオロギーを強制しようとする説得活動は,社会や集団内部において価値分裂や支配層,被支配層の分裂が著しいとき,支配層が政治技術として行うとされている。しかし,こうした説得活動は,大衆が (1) 送り手によって操作されていると推測する場合,(2) メッセージの内容が誤っていると推測する場合,(3) 内容の承認が社会的に認められないと判断する場合などに抵抗を呼起す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大衆説得
たいしゅうせっとく
mass persuasion

大衆を操縦する一つの方法で、とりわけ情緒的な手段を用いて、大衆の意見、態度、信念を、あらかじめ意図する方向に変容させたり、一定の行為をおこさせるプロセスをいう。こうした大衆説得が広く可能となった要因として、マス・コミュニケーションの発達があげられる。個人間コミュニケーションでの説得に比べ、マスコミによるそれは、強力かつ大規模で、多数の人々に訴えかけることを可能とした。大衆説得の効率をあげるためには、理性的な訴えよりも、感情的なアピールの技法を用いながら、「推薦する意見」によって大衆の態度変容を計画し実施することが必要である。大衆説得に対する古典的研究として、1943年にアメリカのコロンビア放送局が行った戦時債券購買キャンペーンの効果についてのR・K・マートンの研究が有名である。しかし、従来の情緒的な訴えかけだけでなく、説得コミュニケーションpersuasive communicationによる大衆説得が重要になってきた今日的状況をも見逃すことはできない。[林 茂樹]
『R・K・マートン著、柳井道夫訳『大衆説得』(1973・桜楓社)』

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