大谷地原野(読み)おおやちげんや

日本歴史地名大系 「大谷地原野」の解説

大谷地原野
おおやちげんや

札幌市の東部、白石区の北部を中心とする一帯にあった原野。大正六年(一九一七)の五万分一地形図によると、南は現在のJR函館本線、北は豊平川、西は月寒つきさむ川、東は厚別川に囲まれた地域に「大谷地原野」と記されている。大谷地の南端は現在の地下鉄大谷地駅(厚別区)付近までであった。明治中期の殖民地撰定の際にはこの地域を含む豊平川の両岸一帯から北は石狩川、南は月寒などの台地までを豊平原野として、地質など開墾に関する予備的な情報が報告されている。そのなかで厚別川下流域は泥炭地とされ、鉄道(当時は北海道炭礦鉄道、現JR函館本線)の近辺は表層二尺の沖積土があり、その下層は泥炭となっている(撰定第一報文)。明治一九年(一八八六)から開始された札幌近傍原野排水事業の一環で、同二二、三年に開墾のための設備として月寒川・厚別川の排水渠がつくられた(明治二三年「北海道庁事業功程報告」)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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