天崇寺(読み)てんそうじ

日本歴史地名大系 「天崇寺」の解説

天崇寺
てんそうじ

[現在地名]上越市寺町二丁目

中寺なかでら町の高田別院から二寺おいた南にある。極楽山養林院と号し本尊阿弥陀如来。単立(浄土宗旨)。当寺はもと当地にあった長恩ちようおん寺と現高田駅裏樹徳じゆとく寺の所にあった極楽寺が合併したもの。

浄土宗長恩寺は法久山と号し、もとは春日山かすがやま城下にあった。寺伝では開基上杉謙信、源誉随流開山とする。源誉は鎌倉光明こうみよう寺三一世で、越前松平忠直の招きをうけ、北庄きたのしよう(現福井市)運正うんしよう寺に住したことがあったので、松平光長家の菩提所となった長恩寺の開山を勤めたのであろう。延享年間(一七四四―四八)の高田町寺社由緒書上(国会図書館蔵)には「当寺開基之儀者不分明、凡三百余年以前与申伝候」とあって、随流を中興開山としている。なお上杉謙信開基説は、もと春日山城下であった大字大豆だいずに「長恩寺」という広い地域があることなどから可能性は考えられるが確実な史料はない。慶長一六年(一六一一)大久保長安らの寄進状により安国寺あんこくじ村に五〇石の朱印地を与えられたが(寺蔵文書)、朱印地は願により慶安元年(一六四八)下源入しもげんにゆう村に所替えされた(高田町寺社由緒書上)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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