天引(読み)てんびき

精選版 日本国語大辞典 「天引」の意味・読み・例文・類語

てん‐びき【天引】

〘名〙 金を貸す場合や、給料などを支払うとき、徴収すべき金額をあらかじめ差し引くこと。借金における利子給与における税金保険料預金などについて行なわれる。てんびけ。
落語・隅田の馴染め(1889)〈三代目三遊亭円遊〉「百円貸して九十五円天引きに引いて」

てん‐びけ【天引】

※歌舞伎・三人吉三廓初買(1860)序幕「まづ七両二分はてん引(ビケ)で」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天引」の意味・わかりやすい解説

天引
てんびき

金を貸したり賃金を支払ったりする場合に、そのなかから、あらかじめ利息や借金を差し引くこと。利息の天引は、高利貸金融の場合によく行われるが、利息制限法(昭和29年法律100号)は、天引額が、債務者の受け取った額を元本として制限利率(同法1条)により計算した金額を超えるときには、超過部分を元金の支払いに充当するものとした(同法2条)。

淡路剛久

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