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利息制限法 りそくせいげんほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

利息制限法
りそくせいげんほう

昭和 29年法律 100号。経済的弱者の地位にある債務者を保護するため,高利を取締る法律。利息制限法は一定の利率を設けてこれを超過する利息,損害金の約定を禁止し,その超過部分を無効としている (1,4条) 。債務者が利息制限法所定の制限をこえる利息,損害金を任意に支払ったときは,その超過部分は民法 491条によって残存元本に充当され (最判 1964.11.18.民集 18巻9号 1868) ,この充当によって元本が計算上完済となったときは,債務者はその後に債務の存在しないことを知らずに支払った金額を不当利得として返還請求できる (最判 68.11.13.民集 22巻 12号 2526) 。しかし,貸金業の規制等に関する法律により一定の要件のもとでは有効な利息の債務の弁済とみなされる (43条) 。また,金消費貸借の締結に際して,利息をあらかじめ計算し,元本から控除することを利息の天引きという。旧利息制限法に明文の規定がなく,判例,学説で問題とされていた部分であったが,利息制限法の2条に規定され,完全に解決した。

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デジタル大辞泉の解説

りそく‐せいげんほう〔‐セイゲンハフ〕【利息制限法】

一定の利率を超える利息を制限し、高利の取り締まりを目的とする法律。昭和29年(1954)制定。同法では利率の上限について、元本10万円未満の場合は年20パーセント、元本10万円以上100万円未満の場合は年18パーセント、元本100万円以上の場合は年15パーセントと規定している。→グレーゾーン金利出資法
[補説]平成18年(2006)の貸金業法改正以前、多くの貸金業者が、出資法の旧上限金利(年29.2パーセント)と利息制限法の上限金利(年15~20パーセント)の間(グレーゾーン金利)で貸し付けを行い問題視されていた。平成22年(2010)6月に貸金業法等の改正が完全施行され、出資法の上限金利は20パーセントに引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃された。

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百科事典マイペディアの解説

利息制限法【りそくせいげんほう】

暴利取締りを目的とする法律(1954年)。旧法(1877年)に代わり制定。私法上の金銭の消費貸借に基づく債権の利息にだけ適用される。利率の最高限(元本10万円未満のとき年2割,10万円以上100万円未満のとき年1.8割,100万円以上のとき年1.5割)を定め,これを超過したとき,その超過部分は無効となる。
→関連項目高利貸民法

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事業再生用語集の解説

利息制限法

"昭和29年に制定された法律。金銭を目的とする消費貸借上の利息の契約は、その利息が次の利率(単利。以下「制限利率」とする。)により計算した金額を超えるときは、その超過部分につき無効である(本法1条1項)。
元本が10万円未満 年20%、10万円以上100万円未満 年18%、100万円以上 15%
(出資法・グレーゾーン金利)"

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世界大百科事典 第2版の解説

りそくせいげんほう【利息制限法】

利息の最高限を法定し,主として消費信用における不当な高利を制限することを目的とする法律(1954公布)。徴利の禁止は,すでに中世教会法支配下の西欧諸国において,〈銭は銭を生むことなし〉の標語のもとに,強制された規範であった。しかし,徴利禁止が法制化される反面,当時の社会的・経済的事情の変化に伴う投資行為の発達は,種々の脱法行為を考案させるに至り,利息禁止の法制は漸次緩和される方向をたどった。 市民社会の生成とともに,利息禁止に代わって,過度の利息徴収のみを禁止する制度の採用へと転化する。

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大辞林 第三版の解説

りそくせいげんほう【利息制限法】

金銭消費貸借の利率の最高限を定め、それを超える部分の無効などを定める法律。1954年(昭和29)制定。ほかに、手数料などの名目で徴収する金銭は利息とみなすことなどを規定している。 → 出資法

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

利息制限法
りそくせいげんほう

高利を取り締まり、債務者を保護することを目的とする法律。1954年(昭和29)制定。昭和29年法律第100号。通常の金銭消費貸借契約と、債権者が業として行う(反復継続する意思をもってする)消費貸借である営業的金銭消費貸借契約とに分かれて規制が設けられている。
 金銭消費貸借上の利息について、一定率(元本が10万円未満の場合は年2割、10万円以上100万円未満の場合は年1割8分、100万円以上の場合は年1割5分)を超える高利が制限され、その超過部分は私法(個人と個人の間を規律する法)上無効とされる。また、その制限が潜脱(ひそかに脱法)されないように、利息の天引の規制、みなし利息の特則、賠償額の予定の制限ならびに違約金の制限が規定されている。
 かつて、同法には、債務者が制限超過利息を任意に支払ったときはその返還を請求できない旨を定める条項が存在していた。私法上無効であるはずの超過利息の返還を、債務者が要求することができないという矛盾に陥っていたのである。これに対して、裁判所は判例による法解釈を通して、まずは超過部分の元本充当を認め、そして、元本充当後も残る超過部分の返還請求が認められるに至り、同条項は実質的に死文化した。
 貸金業者はいわゆるグレーゾーン金利(出資法に違反する刑罰金利と、利息制限法に違反して私法上違法となる制限金利との差)でもって金銭を貸し付けているのが通常であった。よって、前記判例の動向により、債務者はグレーゾーン金利の返還を求められるはずであった。しかし、1983年に制定された「貸金業の規制等に関する法律」(昭和58年法律第32号。「貸金業規制法」と略称されたが、2006年改正時「貸金業法」に改称)は、貸金業者への法規制を強めることの見返りに、貸金業者が業として行う金銭消費貸借上の利息の契約に基づく支払いにつき、利息制限法超過部分(グレーゾーン金利)の支払いを有効な利息の債務の弁済とみなす場合(みなし弁済)があることを規定してしまった。ところが、裁判所は判例による法解釈を通して、今度はこの貸金業法の条項の適用範囲を狭めるようになった。この裁判所による再三の努力が結実し、2006年(平成18)には、超過利息の返還請求ができないとする利息制限法の条項が削除されるに至った(平成18年法律第115号)。また、同年の出資法改正により刑罰金利が引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃された。[福原紀彦・武田典浩]
『小野秀誠著『利息制限の理論』(2010・勁草書房) ▽大村敦志著『法律学大系 消費者法』第4版(2011・有斐閣) ▽日本弁護士連合会編『消費者法講義』第4版(2013・日本評論社)』

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世界大百科事典内の利息制限法の言及

【高利貸】より

…元本がおのずから利息を生む力と冷厳で機能的な貨幣の性質は,人間関係を分解し腐食させる面をもつから,利子生み資本は一般に嫌悪された。一部にはたしかに近代に至っても高利が行われ,また利息天引きあるいは実質的には利息なのに手数料,礼金等の名目で金を別にとるなどの悪習があったので,利息制限法(1877公布,1954新法公布)や貸金業法(1949公布)が定められた。1954年には貸金業法に代わって出資法が定められた。…

【消費貸借】より

… 銀行などの金融機関が行う預貯金や貸付けの利率については臨時金利調整法に基づいて利率の最高限が定められてきた(1994年以降,金利は自由化された)が,今日社会問題となっているのは,銀行等以外の,サラリーマン金融業者等によるもっと高金利の金銭の貸付けである。これに対しては,利息制限法,〈出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律〉(1954公布。以下,出資法と略称),および,〈貸金業の規制等に関する法律〉(1983公布。…

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