天穂日命神社(読み)あめのほひのみことじんじや

日本歴史地名大系 「天穂日命神社」の解説

天穂日命神社
あめのほひのみことじんじや

[現在地名]伏見区石田森西

かつては石田いしだ集落の東方丘陵上にあったとされるが、現在は西方のもと田中たなか明神の所在した石田いわたの森に鎮座する。「延喜式」神名帳に載る宇治うじ郡「天穂日アマノホヒノ命神社」に比定される。石田神社ともよばれ、祭神は天穂日命。田中明神の祭神である天照あまてらす大神大山咋おおやまくい神を合祀したことから、田中神社の称もあった。旧村社。例祭は一一月一日(旧九月四日)。「山州名跡志」(正徳元年刊)は「石田もり」を説明して、「或岩田同所民戸みんこの西半町許境地平林東西半町余、南北一町許」とし、「石田社 田中社 在同所 鳥居東向木柱 拝殿南向 社」と記す。古くは「いわた」と訓じたらしい。

〈京都・山城寺院神社大事典〉

〔石田杜〕

万葉集」に「山代の石田の社」と詠まれた天穂日命神社の森。


天穂日命神社
あめのほひのみことじんじや

[現在地名]鳥取市福井

福井ふくい西方の山の中腹にある。祭神は天穂日命ほか二神。旧郷社。創建年代は不明。「三代実録」貞観九年(八六七)五月二一日条に「因幡国正三位天穂日命神」を官社に列するという記事がみえる。「延喜式」神名帳に載る高草郡七座小社の一「天穂日アマホヒノ命神社」に比定される。天穂日命は出雲臣・土師連の祖神とされ、天日名鳥命・御熊命の父神でもあり、「延喜式」神名帳記載の高草郡の社には「天日名鳥アマヒナトリノ命神社」「阿太賀都健御熊ミクマ命神社」がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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