ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「太平洋共同体」の意味・わかりやすい解説
太平洋共同体
たいへいようきょうどうたい
Secretariat of the Pacific Community; SPC
1951年にグアム島と太平洋島嶼信託統治領が加盟し,範囲が北太平洋地域にも拡大したが,1962年にオランダ領ニューギニア(イリアンジャヤ。西パプア)の統治権が国際連合の管理下に置かれ,オランダが脱退した。1965年には,1962年に独立した西サモア(→サモア)が島嶼国として初めて正式加盟し,その後,1969年のナウル,1971年のフィジーなどの独立国や自治権を獲得した地域が順次加盟した。1983年,サイパン島で開催された第23回南太平洋会議 South Pacific Conferenceで,22の加盟国・地域すべてに平等な議決権が与えられることになった。1997年に開かれた設立 50周年記念会議では,名称を南太平洋委員会から「太平洋共同体」に変更することが決まった。21世紀初頭までに加盟国・地域は 27となり,SPCは経済,環境,医療保健,教育などの問題に対処するための技術的助言や訓練,研究成果を提供する機関に変貌を遂げた。2004年,原加盟国のイギリスが脱退したが,2021年に復帰。2023年現在,加盟数は 27ヵ国・地域。
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