奉ずる(読み)ホウズル

デジタル大辞泉 「奉ずる」の意味・読み・例文・類語

ほう・ずる【奉ずる】

[動サ変][文]ほう・ず[サ変]
高貴な人にさしあげる。たてまつる。「御前で舞を―・ずる」
うやうやしくうける。承る。「君命を―・ずる」
うやうやしく持つ。ささげる。「校旗を―・ずる」
つつしんで勤める。「職を―・ずる」
[類語]献ずる供える捧げる奉る差し上げる貢ぐ奉奠

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「奉ずる」の意味・読み・例文・類語

ほう‐・ずる【奉】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ほう・ず 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. うやうやしく仕える。奉仕する。
      1. [初出の実例]「然而全身奉公是臣之忠也」(出典明衡往来(11C中か)上本)
    2. まかなう。自分の生活に当てる。
      1. [初出の実例]「言語簡黙にして淡薄を以て自奉ぜしと云へり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ほう・ず 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. たてまつる。献上する。献ずる。
      1. [初出の実例]「しかななり、蓮花根は奉してむ」(出典:法華修法一百座聞書抄(1110)六月五日)
    2. 寺院の法令請定に、それをうけた寺僧承諾を示す奉の字を書く。
      1. [初出の実例]「心経会廻請持参、奉了」(出典:大乗院寺社雑事記‐文明二年(1470)正月一二日)
    3. うやうやしく持つ。ささげ持つ。
      1. [初出の実例]「側らに侍して箕箒(きそう)を奉ぜん」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四)
    4. うけたまわる。
      1. [初出の実例]「侍講元田永孚、御内旨を奉じ」(出典:学制に関する勅諭‐明治一五年(1882)二月二一日)
    5. 上にいただく。主君として仰ぐ。奉戴する。
      1. [初出の実例]「苟くも将家一門の人とし云へば、諸国の大名之を奉じ」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉二)
    6. 勤める。職業に従事する。

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