奥井復太郎(読み)おくいふくたろう

改訂新版 世界大百科事典 「奥井復太郎」の意味・わかりやすい解説

奥井復太郎 (おくいふくたろう)
生没年:1897-1965(明治30-昭和40)

都市学の先駆者。東京の下町生れ。慶応大学理財科(現,経済学部)卒業。経済学を基礎に都市問題に関心もち,《現代大都市論》(1940)は代表的著書。それを契機に研究の方向を社会学的視点に移した。1953年日本都市学会の再建とともに会長となった。慶応大学では1956-60年塾長をつとめ,62年にはビジネス・スクールを設置してその校長となった。国民生活研究所長,ユネスコ国内委員,社会開発懇談会委員等政府関係の組織にも協力した。気骨のある明治人,リベラリストで,日本の都市研究についての理論的指導者であった。没後《都市の精神》(1975)が編集された。日本都市学会には,その功績を記念し日本都市学会賞(通称奥井賞)が設けられている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「奥井復太郎」の解説

奥井復太郎 おくい-ふくたろう

1897-1965 昭和時代の社会学者。
明治30年11月21日生まれ。昭和2年慶大教授となり,31年塾長。日本の都市社会学分野で先駆的業績をあげる。日本都市学会会長,国民生活研究所所長などをつとめた。昭和40年2月16日死去。67歳。東京出身。慶大卒。著作に「現代大都市論」「国土計画論」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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