精選版 日本国語大辞典 「奴隷制度」の意味・読み・例文・類語 どれい‐せいど【奴隷制度】 〘 名詞 〙 奴隷に対する集団的・階級的支配の上に成りたつ社会組織。古代一般に存した生産様式。ギリシア、ローマで典型的に発展。ギリシアの場合は家内奴隷の段階に当たり、次第に労働奴隷制に向かう。ローマでは大農場で大規模に労働奴隷が使役された。アジア的社会では家父長的奴隷制が存した。アメリカ南部のプランテーション経営の奴隷は、社会組織を構成しなかった。[初出の実例]「奴隷制度なりと云ふこと勿れ、社会主義の国家は階級的国家に非ずして、平等の社会也」(出典:社会主義神髄(1903)〈幸徳秋水〉五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
旺文社世界史事典 三訂版 「奴隷制度」の解説 奴隷制度どれいせいどslavery 生産のおもな担い手が奴隷である社会組織古代オリエントでは,国民の大部分が必ずしも奴隷状態にあったとはいえず,被征服民・捕虜を主体とする少数の家内奴隷・手工業奴隷が存在したとみられる。典型的な奴隷制度は,古代ギリシア・ローマにみられる。前5世紀のアテネでは市民12万に対して奴隷は8〜10万,前1世紀のローマでは市民250万に対して奴隷は150万程度と推定される。ギリシアの場合は,鉱山奴隷を除き,ほぼ家内奴隷制の段階で,地位も比較的よかったが,ローマの場合は大量の労働奴隷が大農場経営(ラティフンディウム)に使用され,取扱いも苛酷であった。しかし,奴隷労働は生産性が低く,やがてコロヌス制・農奴制に転化する。近代の奴隷制度は,新大陸の開発にスペインが先住民やアフリカ黒人を使用したことに始まり,アメリカ南部のプランテーションで最盛となった。またイスラーム圏・インド・中国・日本にも奴隷の存在を指摘できる。 出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報 Sponserd by