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生産様式 せいさんようしきProduktionsweise; mode of production

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

生産様式
せいさんようしき
Produktionsweise; mode of production

マルクスの経済理論および社会理論において歴史上の種々の経済システムを段階的に区分する際の基礎概念。特に資本主義的生産様式とそれ以外の生産様式との区別が重視される。マルクスによれば生産力は生産用具と労働力の結合によって生れる力であり,生産の仕方の技術的な側面である。生産関係は生産の過程で社会の成員が結ぶ一定の社会的な人間関係であり,生産の仕方の社会的,経済的側面である。生産様式はこの2つの要因の統一により成り立っている。生産様式は歴史的に変化してきたが,その発展の主導的な要因は生産力である。生産力の発展段階に対応して生産関係が変り,両者の統一体である生産様式も変化する。今日までに存在した生産様式の歴史的発展段階として,原始共同制,古代奴隷制,中世封建制,近代資本制および社会主義制の5つがあるとされる。なお生産様式論は,主として古代社会,封建制,資本主義の3つの生産様式を軸に,アジア的生産様式論や社会主義体制をも視野に入れ,1970年代以降 L.アルチュセール学派を中心に国際的な研究,論争が盛んとなっている。

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デジタル大辞泉の解説

せいさん‐ようしき〔‐ヤウシキ〕【生産様式】

物質的財貨を生産する様式。生産力と生産関係との統一によって規定される。歴史的には、原始共同体的・奴隷制的・封建制的・資本主義的・社会主義的生産様式などがある。

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百科事典マイペディアの解説

生産様式【せいさんようしき】

一定の生産力とそれに照応する一定の生産関係が結合してつくられている社会的生産の歴史的形態。史的唯物論の基礎概念。生産力の発展が生産関係に妨げられると,古い生産関係は破砕され新たな生産様式に置き換えられる。

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大辞林 第三版の解説

せいさんようしき【生産様式】

社会が物質的な財貨を生産するための様式。マルクス主義経済学では、歴史上、原始共同体・奴隷制・封建制・資本主義・社会主義の五つの基本的な型に分類される。生産力と生産関係の統一により成立する。 → 生産関係

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

生産様式
せいさんようしき
mode of production英語
Produktionsweiseドイツ語

人間はその生存に必要な財貨を社会発展のそれぞれの段階にふさわしい仕方で生産する。生産様式というのはこのような財貨を獲得する仕方をさすものであって、マルクス経済学の基本的カテゴリーの一つである。
 生産様式はより狭い意味では、労働過程の技術的・社会的諸条件によって規定された生産の仕方をさすものである。たとえば、マニュファクチュアや機械制大工業は社会のそれぞれの発展段階における技術的・社会的諸条件のもとで成立した生産の仕方であったし、その意味でそれらを生産様式とよびうる。
 しかし一方、生産様式を人類史的展望のもとでみるならば、それはいっそう広い意味をもつ。それは生産力と生産関係の歴史的・社会的結合の様式を意味する。人間の自然に対する意識的活動としての生産活動において、生産力は労働力と生産手段とが社会的に結合して形づくられるが、この二つがどのように結び付き生産力として現実に作用するのかを決定するのは生産関係である。生産関係は生産に際して人間が相互に取り結ぶ関係であり、労働力の所有者と生産手段の所有者の社会的結合関係である。生産様式はこの生産力と生産関係の統一的概念であって、両者がどのように統一されているのかによって人類社会の発展はさまざまな段階に区別されるのである。マルクスは『経済学批判』(1859)の序言で、いままでの人類社会が次の四つの異なった生産様式をもつ歴史段階を経過してきたと述べている。それは「アジア的・古代的・封建的・近代ブルジョア的生産様式」である。これら一連の歴史段階は、生産力と生産関係が相互に規定しあいながら、社会が新たな生産力を獲得することによってそれに照応する新たな生産関係が形づくられることを示している。ここでは生産力がより規定的役割を果たす。一定の生産関係のなかで一定程度まで発展する生産力はやがて既存の生産関係と衝突するようになると、発展した生産力にふさわしい生産関係が形づくられる。それは現実の歴史過程では敵対的な階級の闘争として現れる。
 生産様式は下部構造としての社会の経済的基礎をなし、その上に社会の上部構造をなす政治的・法律的・文化的諸制度やさまざまな意識諸形態が形づくられ、両者は相互に規定しあいながらも究極的には生産様式の発展が上部構造を規定し、発展させることになる。[藤田勝次郎]

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世界大百科事典内の生産様式の言及

【社会構成体】より

…政治的・法律的諸制度や社会的諸意識形態すなわちイデオロギーあるいは固有の文化などは,いわば上部構造Überbauであって,こうした土台のうえにのみ成立し,そこからさまざまな規定や制約を受ける。そこで,その時代に相応する生産諸力が特性的な経済的構造に編成されるしかたを生産様式と呼ぶとすれば,生産様式は土台と上部構造との関係をも基本的な点で特色づけることになり,ここに歴史的に固有な社会構成体が成り立つのである。 社会構成体は累重的かつ前進的に生成する。…

【社会発展】より

…また社会の進化を望ましい状態に向けての変化としてとらえるときには,〈望ましい〉ものについての判定者の価値判断の問題がからんでくる。こうしたなかで注目されるのが生産様式という客観的な基準を用いて社会の発展段階を説明しようとするマルクス主義の試みである。生産様式とはある社会の生産力とそれに対応するところの生産関係の統一をあらわす概念であり,これを基準にすると社会の発展はアジア的→古代的→封建的→近代ブルジョア的→社会主義的という五つの段階をたどるという。…

【生産関係】より

…さらに,歴史的に実在する生産関係は原始共同体,奴隷制,封建制,資本主義,社会主義の五つであり,資本主義社会は生産手段の所有者(資本家,土地所有者)階級が生産手段をもたない直接生産者(賃金労働者)階級を支配し,社会的生産の直接的担い手である労働者が資本家階級のために剰余価値を生産する,いわゆる階級社会,それも最後の階級社会であると説かれる。一定の発展段階に達した社会的生産力とそれに対応する生産関係の統一が生産様式であり,人類社会の発展は生産様式の変化,発展によって規定される。 生産力は,その発展水準に対応する生産関係のもとではじめて現実の生産力として作用し,発展する。…

【生産手段】より

…たとえば石油は,工場で化学製品の原料となる場合には生産手段であるが,家庭で暖房用に消費される場合には消費手段なのである。 ところで,こうした生産手段がどのような所有関係のもとにおかれているかによって,地域的あるいは歴史的に異なるそれぞれの社会に特有な,財の生産と分配の様式(生産様式)が規定される。資本主義社会においては生産手段は資本という形態を与えられ,市場で商品として購入された労働力と結合されることによって,資本家に利潤をもたらす。…

※「生産様式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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