(読み)ト

デジタル大辞泉 「妬」の意味・読み・例文・類語

と【妬】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) [訓]ねたむ やく そねむ
やきもちをやく。ねたむ。「妬心嫉妬

ねた【妬/嫉】

形容詞「ねた(妬)し」の語幹から》ねたましいこと。また、恨みに思うこと。根にもつこと。
「宵に悪口あくこうせられしその―に、わざと口を裂かるるとぞ」〈曽我・九〉

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精選版 日本国語大辞典 「妬」の意味・読み・例文・類語

ねた【妬・嫉】

  1. [ 1 ] ( 形容詞「ねたし」の語幹 ) ねたましいこと。うらやましく憎らしいこと。感動表現に用いる。
    1. [初出の実例]「中将は心の中に、ねたのわざやと思ふところあれど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)藤裏葉)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 ( [ 一 ]の転じたもの ) 根に持つこと。恨みに思うこと。
    1. [初出の実例]「宵に悪口(あっこう)せられしそのねたに、わざと口を裂かるるとぞ」(出典曾我物語(南北朝頃)九)

と【妬】

  1. 〘 名詞 〙 ねたむこと。やきもちをやくこと。
    1. [初出の実例]「女道士仲間では、かう云ふ風に親しくするのを対食と名づけて、傍(かたはら)から揶揄する。それには羨と妬(ト)とも交ってゐるのである」(出典:魚玄機(1915)〈森鴎外〉)

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普及版 字通 「妬」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

(異体字)
7画

[字音]
[字訓] ねたむ・そねむ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は石(せき)。石に宕(とう)・(たく)の声がある。〔説文〕十二下に「、夫を(ねた)むなり」とあり、〔段注本〕には字を妬に作る。婦人には妬忌の疾があり、また転じて、人の賢能をにくみ害することをもいう。

[訓義]
1. ねたむ、やく。
2. そねむ、うらやみにくむ。

[古辞書の訓]
名義抄〕妬 ネタム・ソネム・モノネタミ・ウハナリネタミ・ウラヤム・アラソフ

[語系]
伝〕に(戸)(こ)声とするが、haにその声はない。妬taは、tak、蠹taと声近く、その蠹害(とがい)する心をいう。

[熟語]
妬害・妬忌妬気妬賢・妬妻妬猜妬殺妬疾妬嫉・妬心妬譖妬痴妬敵妬婦・妬紛・妬
[下接語]
暗妬・悍妬・驕妬・猜妬・讒妬・疾妬・嫉妬・憎妬・痴妬・婦妬

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