嫁入り道具(読み)ヨメイリドウグ

デジタル大辞泉 「嫁入り道具」の意味・読み・例文・類語

よめいり‐どうぐ〔‐ダウグ〕【嫁入り道具】

嫁入りするときに持っていくタンス・鏡台などの道具類。

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精選版 日本国語大辞典 「嫁入り道具」の意味・読み・例文・類語

よめいり‐どうぐ‥ダウグ【嫁入道具】

  1. 〘 名詞 〙 嫁入りの時に持参する道具。よめりどうぐ。
    1. [初出の実例]「よめいり道具(ダウグ)する事 或まきゑや、よめいり道具を請取出来しければ」(出典咄本・軽口大わらひ(1680)五)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「嫁入り道具」の意味・わかりやすい解説

嫁入り道具
よめいりどうぐ

結婚に際して,嫁および嫁側の家族が婿方に持参する荷物。嫁荷ともいう。婿方から嫁方に贈与される結納に対するものであり,嫁の持参金に類似する性格をもつ。嫁入り婚の場合は他に比べて荷物の品物も豊富であり,事前にこれを披露する儀礼婚姻儀礼に組込まれている地方もある。これに対して婿入り婚では普段着で行われることが多い。嫁入り道具は,嫁入り行列とともに婿方に運ばれる場合のほか,事前に荷送りが行われる場合もある。また北陸の日本海側の村落では,結婚後も定期的ないし長期的な里帰りが行われるため,それが終了する 33歳の嫁の厄年に婿方に届けられる。その間,嫁は季節ごとに着物や必要な道具を実家に取りに帰る。嫁入り道具には,嫁が完全に婿方の家族の一員となることを象徴する意味がある。

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世界大百科事典(旧版)内の嫁入り道具の言及

【持参金】より

…また従来の財産相続は,長男子相続が卓越し,諸子への分割相続がとられる場合も多くは男子のみで,女子に対して分与することはほとんどなかった。しかし,婚姻に際し嫁入道具をもつのが普通で,婿入婚においては,わずかな衣類や身回品という程度であることが多かったが,嫁入婚では,嫁の引移りが重要であったので,その際嫁の荷物送りが盛大に行われる傾向があり,嫁荷(嫁の荷物)の種類や量を競うことも行われた。しかし,地域によっては婚出してもなお嫁の荷物を長く生家にとどめおく風があり,全国的に見られる出産を生家ですることや,たびたびの里帰りによって衣料を調達したりするように,生家の負担はさまざまに継続し,嫁が生家のために働くという慣習とともに,婚出しても女性が長く生家に多くの権利や義務を保留していることを示している。…

※「嫁入り道具」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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